一緒に住もうか4
『うん、もう一回ちゃんと言って!』
それに相手がタカヒロなら、私の答えは決まっているもの。
だからポカポカした温かい気持ちで、私は今だ緊張気味のタカヒロをジッと見つめた。
「ユヅキさん」
『はい』
「一緒に住もうか?」
『…はい』
「この先どんなことが起こっても、俺がユヅキを守るから。寂しい思いはさせないって誓う。だからずっと俺と一緒にいてください」
『はい』
「…つ、伝わってる?」
『うん、嬉しくて泣きそう』
「…よかった…」
『タカヒロ…』
「うん?」
弱弱しく眉毛を下げて私に視線を移すタカヒロは、本当に緊張していたようで、それが軽く崩れてふにゃふにゃ感満載だ。
『大好きっ!』
ギュウってタカヒロのたくましい身体に巻き付く私を、その力強い腕でしっかりと抱き留めてくれる。
『もう、吃驚したっ!でも本当に嬉しいっ!私ももう、タカヒロ以外の人なんて考えられないし…タカヒロとだったらどんなことでも乗り越えられるって。だから…ずっと一緒にいてね?』
「誓うよ、ユヅキ」
優しいタカヒロの言葉に私は微笑んでそっと目を閉じた。
ずっと探してた。
私の心をいっぱいに満たしてくれる人を…。
誰と付き合っても、自分の気持ちがあまり上がらなくて、迷いながらの付き合いで…
もしかしたら私は恋愛には向いていないんじゃないかな…そう思うことも。
幸せを掴んでいく友人たちを羨ましいと思っていたあの頃。
どこか投げやりだった私を見つけてくれたのは、他の誰でもないタカヒロ。
恋愛に慣れてそうなタカヒロは、そのルックスのせいで意味のない恋愛を繰り返していたなんて。
磁石が吸い寄せるかの如く出逢った私たちは、それが当たり前のように、すぐに恋に落ちて…
それが一生に変わった。
タカヒロとならこれから先の人生を過ごしていけるんだと。
沢山の幸せを、タカヒロと二人で分かち合っていきたい…―――――
そう願う私たちの頭上で、今年最後の綺麗な空に願いを叶える星がキラリと流れ落ちた。
*END*
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