一緒に住もうか2
「…知ってるよ、ごめんね我慢できなくて…」
シレっとそう言って笑うタカヒロくんもよく見るとしっかり照れていて、そんなことに嬉しさを増した。
恥ずかしいのは勿論だけれど、タカヒロくんだって私と同じように照れてくれるんだって。
そんな些細なことが一緒でやっぱり嬉しい。
だから許してやろう…なぁんて。
「赤信号のたびにチューしていい?」
『ダメ!』
「なんでぇ?」
『止まらなくなるから…タカヒロが…』
「………ん、だな」
『うん』
「ユヅキ!」
『はい?』
「もっと呼んで?」
『…タカヒロ…』
「ずっとそう呼んで?」
『…うん』
「ずっとだよ?」
『うん』
そう言うとまた赤信号。
見計らったかのようで、可笑しい!って笑う私に、タカヒロが近づいてきて…
「好きだよ」
小さく呟いた言葉は、半分ぐらいキスで呑み込まれていく…
高速道路の渋滞だって、タカヒロと一緒だったら苦にもならない。
隣にタカヒロがいるだけで、全てのものが幸せに繋がってしまうなんて、タカヒロって宝物は私が生きていくうえで絶対に必要な人なんだと、改めて実感するんだ。
あの日、タカヒロと出逢ったのはやっぱり偶然なんかじゃなくって、運命の名の元に出逢ったんだと、胸を張って言える。
隣で無邪気に笑うタカヒロを見て、私の心はとても温かい何かを感じていた。
――――――――――…
「遅くなっちゃったねーやっぱ」
『うん、運転ご苦労さま。疲れたでしょ?ありがとう』
「いいよ、こんくらい。ユヅキと一緒にいれて俺のが嬉しかった…」
そう言ったタカヒロは何だかちょっとかしこまるというか、口ごもるというか…
いつもと違う空気を感じた。
それが何なのかは分からないけど、タカヒロを信じきっている私には、タカヒロがどんな言葉を持ってこようと受け止められる自信がある。
『タカヒロ?』
「え、あ…うん。あのさ…ちょっと外でない?寒い?」
『いいけど…』
「うん」
タカヒロはそう言って私の手を取ると、家の近所にある公園まで私を連れて行った。
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