一緒に住もうか1
人生でこんなにも幸せで温かいクリスマスを過ごしたのは初めてなんじゃないかってくらい私は幸せいっぱいで。
目一杯楽しんだクリスマスお泊り。
帰りの車の中でもタカヒロくんは色んな話をしていて…
「初詣、どの神社行ってるとかある?」
タカヒロくんに言われてふと思う。
毎年毎年“縁結び”の神様に『今年こそ…』的なお願いをしていたのが、今回はなくなったんだ!って。
そしてきっとそれは今後の私達の幸せへの祈りへと変わるんだって。
一人で含み笑いをする私を見て、タカヒロくんが苦笑いをした。
『ないよ!タカヒロくんと一緒だったらどこでもいい』
「それは嬉しいけど、今すげぇムッツリ笑ってたなユヅキ。何考えてたの?」
『…え』
「顔、すげぇニヤけてた」
スッて伸びてきたタカヒロくんの手がフワリと私の頬に触れてすぐに離れていく。
『…縁結びのお願いが来年は二人の幸せに変わると思うと嬉しくて…やだ私、顔笑ってた?』
恥ずかしい!って両手で頬を押さえる私にタカヒロくんの笑いが届く。
運転しながらもチラチラ私を見るタカヒロくんはご機嫌で…
「ユヅキ、ちょっとこっち来てみ?」
窓の外を指差すタカヒロくんに引き寄せられるように身体をずらして『なに、なに?』そう聞く私。
「やったね」
チュッ…
唇に音を立てて小さなキスが舞い降りた。
真っ赤になる私にしてやったりって顔のタカヒロくん。
『…運転中ですけど』
「可愛いいこと言ったユヅキが悪い!いいじゃん、誰も俺らのことなんて見てないって!ま別に見ててもシたけどな」
ニカって得意のハニカミスマイルをお見舞いされて、悔しいけど何も言い返せない。
私自身こんな不意打ちであってもタカヒロくんとのキスが嫌なはずがなくって…。
でも素直に嬉しいって言えないよ〜。
恥ずかしすぎちゃう!
『もう』
せいぜいそういうのがオチだった。
「ユヅキの恥じらいはずっととれないねぇ、きっと」
『タカヒロくんズルイ!そんなの当たり前!私がどれだけタカヒロくんを好きか知っ…――――』
今度はタカヒロくんの方から顔を寄せられて、首に回された腕にがっちり固定されてキス。
信号は赤だったらしい…
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