■ 捜索1


【side 奈々】




許されるなら

この気持ちが許されるなら

伝えたいよ…


―――――――――――――――


「何してんの?」


おばあちゃんの家はだだっ広くて、あたしは少し暇を持て余していた。

ゆきみが星を見るのが好きなせいかあたしもその癖がついていて、夜になると綺麗に光り輝く星を見に外を散歩するのが日課になっていた。

星空を見上げたらこの広い空は繋がってるってそう思えて。

離れているけど見上げた空はあたしとタカヒロを放しやしないって…

そう思うだけでほんの少し気持ちが楽になったんだ。

タカヒロへの想いが増す中、少し落ち着きを感じとれる唯一の時間だった。

そんな唯一の時間を邪魔したのは名も知らない団体で、声に振り返るとあたしと一定の距離を保ってこっちを凝視している。

瞬時に『ヤバイ』って思ったのはバイクの種類…っていうか、ケンチの改造をよく見てたあたしはその改造されたバイクを見て胸が高鳴った。


うそっ!

こんな田舎にもヤンキーっているの?


「何してんの?」


もう一度ゆっくり聞かれて。

あたしは携帯をぎゅうって握りしめたまま全速力で走った。


「おいっ、待てよっ!!追えっ!!」


ヤンキー達の足音があたしを追い掛けて来る。

迷い込んだのは馬鹿でかい公園で…

草の茂みに身を隠して携帯を開けた。

咄嗟に押したのはゆきみのナンバーで。

結局あたし達は一人じゃ何も出来ないんだ。

それでも…頼れる人がいるってことは、本当の一人ぼっちじゃないってわけで。

そう思うだけでもあたしはわりと幸せな方なのかもしれない、なんて思った。



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