■ 叶わぬ想い6


【side 奈々】



もう、ほとぼりが冷めたと思っていたあたしは、完璧に安心しきっていたんだ。

ゆきみと仲良くなった事で、自分も【one】の一員になった気でいて。

だからもう大丈夫だって。

ゆきみやケンチのいる現実が楽しくて、すっかり忘れていたんだ。




――――その日、悲しくもまた囲まれてしまった。





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