■ 責任感4
ノリに言われるがままに、
そっか、あたしのせい…
分かりきった言葉を頭に並べた。
自分でも嫌ってほど分かってた。
でも、実際他人に言われると、それはもうあたしを責めてる言葉でしかなくて。
近くにいる人程、あたしを決して責めたりしないから、今までその現実から逃げていたんだって思い知らされたんだ。
実際問題、ノリの言ってることは正しい。
あたしがこんな風にこのチームに入ったりしなかったなら、穏便な生活を送っていたに違いない。
分かりきったその答えに、あたしは俯くことしか出来なくて。
そんなあたしの態度に苛々度を増すノリは、更に声を荒げた。
『てゆーかジャケットは?返してよ、タカヒロのジャケット!あれあたしのなんだけどっ!』
何もかも知ってる…みたいな言い方のノリ。
唯一、あたしとタカヒロを繋ぐのはあのジャケットで。
タカヒロへの想いを封印しなきゃなんなかったあたしは、数日前、ケンチに無理矢理「返しておいて」って言って渡したんだった。
ほんの後ろでケンチの足が動いて。
胸が苦しくて、呼吸もままならないあたしは、ゆっくりと振り返って『…ケンチ…』そう呟いてそのままバタンっと後ろに倒れた。