■ お前じゃなきゃ…4
遠目に見えた煌びやかなテイルランプの中から見えたのは、ゆきみじゃなくて逢いたくて仕方のなかったタカヒロだった。
道が開いてあたしを見つけるとその足を早めて、腕を伸ばしてくれる…
ドキドキしてどうしよう?って気持ちよりも、やっと逢えたって想いの方が大きくて。
「奈々ッ!」
そう呼んでくれたタカヒロに
『タカヒロォッ!!』
そう応えるあたし。
その大きな身体で強く抱きしめられた。
身体の芯が熱くて、涙が溢れる。
言葉にしなきゃいけない気持ちは沢山あるけど、今はこの温もりだけを感じていたいんだ。
「心配かけやがって、もう離さねぇぞ」
耳元で聞こえたタカヒロの声に、ただ頷くだけのあたし。
どうしようもなく愛しくて…
離れたくなくて、ギュッとタカヒロの背中に腕を回した。
「奈々…二度と離したくねぇ」
離さないで…
「もう俺から逃げんな」
逃げないよ…
「俺お前いねぇとダメだわ」
あたしもタカヒロがいないとダメだよ…
「ずっと側にいろよ」
ずっと側にいてもいいの?
好きって言ってもいいの?
そう想いを込めて顔をあげたあたしの瞳はすぐに閉じられた―――――
タカヒロ…
…――――――好きよ。