微熱
うなじにチュって軽いキスを繰り返す。
色んな理性がわりと崩壊寸前まできているのは重々承知で。
マジで俺がこんなに我慢のきく奴だとは自分でも知らなかった。
「臣くん…」
「ん〜?」
「手、止まっちゃうから…」
「ふふ、うん。ダメ?」
クルリと美月を反転させると、また赤い顔で。
柔らかい頬を軽く指でつねるとムウっと唇を尖らせた。
「はっ!その顔すげぇ可愛い!どうしてそんな可愛いの、お前…」
目を閉じてオデコをつっくける俺の腰に美月の腕が回される。
…おっ?
いいのか?いいのか?
このまま続けていいのか?
さっきまで兄ちゃんの言いつけを守ろうって理性が働いていたくせに、美月に触れられるとすぐにそんなもんはぶっ飛んでしまいそうで。
思わずゴクリと生唾を飲み込んだ瞬間、美月がシャツの裾をあげてベルトに手をかけた。
「待った!どうした、美月?」
慌てて止めたのは俺で。
だってこんな美月想像してなかった。
いや、すげぇ嬉しいけど…
なんか無駄に照れる…。
「ベルト邪魔でしょ?」
「え?えっ?邪魔って、その…シたいってこと?」
動揺しながら見下ろすと、ニーって口を開けて「うっそだよ〜!」って笑った。
そのままクルリとまたキッチンの方に身体を向けて肉にころもをつけ始める。
心臓が尋常じゃねぇくらい脈打っていて、カアーっと熱くなってくる。
やべ、なんだこれ。
俺、熱でもあんの?
ぐったり美月に寄りかかる俺を「臣くん、重い〜」って引き離されて。
懲りずにまた美月の背中にグダ〜っと寄りかかると、「ダメっ!あたしお腹すいたのっ!」ピシャリと言われた。
へーい、へい。
「俺、お前が食いたい…」
耳元でボソっと呟いて、形のいい小さな耳をカプっと甘噛みすると「ンハァッ…」なんともいえねぇ声が美月から漏れた。
あーマジで理性が持たねぇ!