大好き!
バシバシ腕を叩くけど全く痛くなくって。
「ごめんごめん!美月が俺に意地悪するから仕返ししたの!」
「ばかおみ!」
「嫌い?…」
むくれてる頬をそっと撫でながらもう一度「嫌いになった?俺のこと…」そう聞く。
髪を耳にかけてそこに小さなキスを落とす。
ほんのり肩をすくめる美月は、ムゥってしながらも小さく首を横に振る。
嫌いなわけないって分かってるけど、どう見たって俺を好きだろう美月のそういう行動は溜息が出そうなくらい可愛く思える。
「じゃあ、好き?」
美月の頬に手を添えてもう一度視線を絡ませた。
真っ赤な顔でムゥっとしながら涙目で俺を見上げながらも、小さく首を縦に振る。
スッと美月の唇に指を這わせて「好き?」もう一度確認する。
あくまで首を縦に振るだけの美月に、どうしても好きって言わせたくて。
ムキになってるわけでも、意地になってるわけでもない。
今までの女にこんな気持ちになったことすらないから、今の自分の行動を昔の俺が見たら笑うのかもしれない。
ダッセーことしてんな!って。
けど、ダッセーのはお前の方だって今なら言える。
だって俺、美月に出逢ったから。
心から愛おしいと思える女に出逢える確率なんて、実際は物凄い低いんじゃねぇかって。
今までの女がそうじゃなかったのは、美月と出逢う為だったって、全てにおいて美月との運命に繋げたいと思う俺は、自分ではキモイと思いながらも緩む頬をなおせなくて。
指で顎ら辺を掴んで無理やり口の形を「スキ」にさせる。
「声出して…」
「…すき」
え?
観念したのか?美月は俺を見上げて「好き!大好き!臣くんが好き!臣が大好き!!」半ばヤケになってそう言ったんだ。
こんな告白ってあり?なんて思う反面、結局緩んだ頬はもとになんて戻らなくて。
「よく言えたな。んじゃご褒美あげる」
これが俺の照れ隠しなのかは定かじゃないけど、美月の「臣が大好き!」がめちゃくちゃ沁み込んでお預けにしていたキスを落とした―――
美月の首に腕をかけて持ち上げるように俺に引き寄せて舌を絡ませる。
物凄い柔らかい美月の舌をゆっくりと味わうように舐めると「ンッ…」小さく漏れた声。
その声に反応する俺は、もっと鳴かせてやろうとキスを深めていく…――