Sweet Honey | ナノ

告白リベンジ

「いやさっきから言おうとしてたんだけど、タイミング悪く邪魔が入って…」

「邪魔…」

「そう、邪魔がな」



そう言って俺は辺りを見回した。


今ここで邪魔に入りそうな奴は近くにはいないってことを確認する。


俺や美月を知ってる人はいなさそう…



「そうなんだ…」

「うん」



美月の正面に回ってほんのり距離をとる俺をじっと真っ直ぐに美月が見ている。


いざ想いを伝えようと思うと、地味に緊張するわけで。


キスしちゃってから今更感もあるけど、やっぱり女には言葉で伝えないとダメだよな?


正直言葉にすんの苦手だけど。


隆二みてぇに好き好き言うタイプじゃねぇけど…



「マジで好きだ。俺と付き合ってほしい…」



キョトンとした美月の顔。

でも見る見る真っ赤になっていって…



俯く美月の腕がポカンって俺の腕を叩く。

一回、二回…全然痛くねぇ鉄拳が俺の腕にポカポカ落ちていて。



ああ、こいつすげぇ照れてんだって分かった。


真っ赤になって恥ずかしくて顔あげらんねぇんだって。


それがわかると、余計に美月が可愛く見えて、可愛く思えて…



「美月ちゃん」

「…なぁに?」

「顔、見せて」

「…無理」

「ッハ、無理ってなんだよそれ!」



爆笑を隠しながらもそう聞く俺に、「だって臣がズルイ」やっぱりな言葉が届いたんだ。


食材を持ってない方の腕で、美月を引き寄せてポンポンって背中を軽く叩く。


俺の鎖骨の下辺りに顔を埋めてバタバタ足踏みしてる美月がクソ可愛い。



「返事はねぇの?美月…」

「…ない!」

「いやそんなハッキリ言うなって…」

「だって、だって…もう…」

「好きだよ美月。すげぇ好き。愛してる…」

「ダメ、そんなこと言っちゃダメ!」

「無理!」



美月の真似してそう言うと、ビクって肩が動いた。


このままずっと見ていたい気もするけど、早く二人っきりの時間を過ごしたい気もする。



「んじゃ家まで待つよ。したら美月の言葉で聞かせて、返事!」



ポンって背中を叩いて車の助手席に乗せた。


そのまま俺の住むマンションへと走らせた。


はぁ、やっと二人っきりだ。

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