やっとの確信
「…うん。絶対ぇ食わねぇ…」
「でもあたしの料理美味しいから大丈夫だろうけど!」
ニヒヒって歯を見せて美月が笑った。
なんかとりあえず触りたくて、美月の腰に腕を回して隣を歩かせる。
でもなんだかんだでちょこまかしてる美月はすぐに俺から離れて色々物色している。
「よし、これでOK!レジ行こう!」
美月がスッと俺の腕に絡まるからそのまま美月をレジまで誘導する。
カートから籠を下してレジで会計を済ませると、また美月が綺麗に袋に詰めた。
「後でお金半分だすね、あたしも」
「いいって、今日は俺の驕り!作って貰うし、最初はかっこつけたいの!美月は一緒にいてくれるだけで嬉しいから」
「…ほんと?」
「ほんと!」
「じゃあ今日だけご馳走様!」
…まぁ今日からだけど。
マジで作って貰うのに食材代とかいらねぇし、普通に払おうとした美月の性格の良さがまた気に入った。
最初から女に金払わせるつもりもないけど、当たり前みたいな顔している奴はやっぱ好きじゃねぇ。
その辺の礼儀は彼女にする子には持っていてほしい。
「持つよ、貸して」
スーパーのビニール袋をヒョイっと美月から取りあげると「ありがとう」ちょっとだけ照れた顔。
つい、目を逸らす。
マジでチューしたくなるから、その照れた顔。
心ん中で小さく溜息をつく俺を、二って見上げる美月。
「臣くん家、楽しみ…」
「散らかってたらごめんね?」
「いいよ、あたし片付けも好きだから」
「マジで?…一緒に住みたくなっちゃうな俺…」
そんな俺の言葉に口を開けて立ち止まる美月。
え、俺なんかマズイこと言った?
思いっきり目ん玉かっぴろげてその可愛い口を開いて言ったんだ。
「臣くん、あたしと付き合う気はあるの!?」
「…ブッ!」
思わずふき出す俺を美月がポカンと見つめている。