ヤキモチ 7



「だから色々考えたりもしたけど、答えなんて一つで。それさっきゆきみに言われちった」


ポリっと頬をかいた。


「片岡直人はゆきみだけのもんだから、EXILE NAOTOは目瞑って、的な……」

「的なってぇ、NAOTOさんさすがB型!適当だね!」


私が言うと眉毛を下げて苦笑い。


「だってそんなことぐらいしか思いつかなくってよー」

「あはは!無敵の完璧男、片岡直人もゆきみの前ではタジタジだぁ!仕方ない、直人が私にベタ惚れなんだから!」


ニヒッて舌を出して笑うとちょっと悔しそうな表情を浮かべる直人。

でもすぐに笑って「否めねぇ」ボソッとつぶやいたんだ。


「直ちゃん可愛い」


腕をのばして直人の髪をフワって撫ぜたら、手首を掴まれてそこにチュッてキスをされる。


「可愛いなんて言わせねぇ」……その顔のごとくそんな台詞を口にした直人は、目の前でもう完全なるオトコの顔になっていて。

ゆっくりとソファーを背に私を押し倒した。


「でも、隆二くんの役柄が直人さんだったらやっぱり少し凹んだかも……」そう言おうとした私の唇を食べるように塞がれて、一気に私の中が直人で埋め尽くされた。

これから先不安がないと言ったら嘘になる。

けれど、その不安一つ一つを乗り越えていけるからこそ、私と直人は愛し合えるんだと思うんだ。

身体だけが繋がっていてもダメ。

心から繋がっていられる関係でこそ、片岡直人を支える人でありたい。

唯一無二の奈々が教えてくれた大事なこと。

直人の頑張りを私が一番に褒めてあげるんだと。


「ねぇUSAとワインいつ行くの?美容室予約しなきゃ!早めに言ってね?」


私の言葉にギョッとした顔で頭を上げる直人。


「まさか、てっちゃんの次はUSAさんか!?おい言え!むしろ吐け!!」


唇を摘まれて鬼の形相で私を見る直人。


「やだ、怖い!!離してっ!」

「離すかっ!お前はもう俺のもんだ!USAさんのこともてっちゃんのことも、俺は認めない!!」


やっぱりヤキモチは直人の特権なんじゃないだろうか……

私の上で真剣に怒る直人を見て、クスリと微笑んだんだ。




*END*

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