ヤキモチ 5
深夜1時前。
ガチャっとオートロックのドアが空いた。
リビングでウトウトしていた私はハッと起き上がって廊下を見た。
涼しい顔した直人が歩いてきて、私を見て微笑むと「ただいま」小さく言った。
「直人さんお帰り!」
「寝ててよかったのに」
寝かせねぇ!って言ったくせに、そんな優しい言葉をくれるのも直人であって。
「楽しかったー?」
「うん、語りまくった!ゆきみのことも聴かれたから赤裸々に話しといたわ」
「赤裸々ってどんなよ?変なこと言ってないでしょうねー?」
「俺にベタ惚れって!」
得意気に言うけど、全く持って間違っていないからクスッで笑ったらフワってソファーの私を後ろからギュッと抱きしめた。
「一人にさせてごめんな」
キュンってする。
直人の甘えた声が私の耳にかかって、胸の奥がギュッと掴まれたみたいにキュンキュンする。
「全然いいよ!こうして今直人さんにギューして貰えてるだけで私幸せだもん」
そう言って体重を直人にかけると、更に強くその腕が私を抱きしめる。
「俺もめっちゃ幸せ……」
「あは、嬉しい。私でも直人さんを幸せにできるなら、何でもしてあげるよ?」
「なんでも?」
そう言ってパクっと耳を口に含むんだ。
ゾクッてして思わず仰け反ると直人がクスクス笑っている。
「もう!耳弱いんだから私」
「だからやってんの!」
「確信犯だ、直人さん」
「そうだよ俺。ゆきみが抱かれたくなるように仕向けてるもん」
そう言いながら胸元に置かれた手が膨らみに優しく触れていく。
「ここでするのー?」
「なに、我慢できねぇの?仕方ねぇなぁ!」
クルッて向きを変えられて正面から直人に抱きしめられた。
「結構飲んでる?」
「ん〜まぁまぁかな!」
「ワイン飲んだ?」
「うん、飲んだ!」
「ハマってるねワイン!USAとワイン飲みに行く時私も連れてって?」
「オッケーUSAさんに言っとく!」
ちょっとだけ眠そうな顔の直人は、それでも私の唇に視線を移してそのまま柔らかい唇を重ね合わせた。