ヤキモチ 2
ご飯どうしようかなぁー。
一人だしコンビニでも行って買ってこようかなぁ。
ふと直人の鞄に視線を移すと、ほんの少し鞄からはみ出しているソレ。
まさに、見ろ!と言わんばかりのソレ。
R.Y.U.S.E.Iって一言書いてあるソレ。
これは確か夏の新曲!!!
これ、見たい!!!
そう思った私のもと、颯爽とシャワーを浴び終えた直人がパン一で姿を表した。
いつ見ても何度見ても完璧な肉体美。
「直人さん!これ、見てもいい?」
私がそのDVDを指さして聞くとそこに視線を移した直人は、ほんの一瞬ハッとしたような顔で。
「あーうん、いいよ」
ちょっとだけ腑に落ちないような、そんな答え。
「え?ダメ?」
だからそう聞いたら眉毛を下げて笑うんだ。
「マジすげぇ頑張ったから是非見て!」
その笑顔に喜んでDVDを受け取った。
「やった、ありがとう!」
「ゆきみ、飯どーする?つーか俺遅いけど帰ってくるから、今日泊まってくよな?ま、帰さねぇし、寝かせねぇけど」
ドヤッていつもながらの顔を私に飛ばす直人。
だから私は立ち上がって直人の前まで行って腰に腕をかけた。
一気に距離が縮まって吐息が顔にかかる。
「泊まっていい?」
「当たり前」
「じゃあ直人さんの帰り待ってるね」
「いい子にしてろよー」
クシャって私の髪を撫ぜると、直人の腕が私の腰に回されて数センチだった距離をゼロに埋めた。
チュッて触れるだけのキスを数回繰り返す私たち。
唇が離れて見つめ合うと、至近距離で「充電」そう言うとグッと背中に腕を回されてさっきよりずっと強引で熱いキスをくれるんだ。
絡めていた舌が私の首筋に移動した瞬間、そっと直人の厚い胸を手で押した。
「行けなくなるよー!待たせちゃダメでしょ?」
ニコッて笑って言うとピョンって飛び跳ねて「うおっ、軽く我を忘れたぜ!俺としたことが!」慌てて新しい洋服に手をかけた。
忘れたって言ったけど、きっと違う。
直人が約束を忘れる訳が無い。
私のこと少しでも構ってくれたのは、直人の優しさであり、愛情なんだと思う。
罪悪感があるのならば、私もまだまだなんだなと。
EXILE NAOTOの恋人である以上、私は理解ある女を目指したいんだ。
偽善じゃなくて、ほんとに。
私の存在が直人を癒してあげたいんだ。
私の前でだけは、EXILE NAOTOじゃなくて、片岡直人でいてほしいから。
そうして、すぐに着替えて髪の毛を乾かした直人は玄関でギュッと私を抱きしめると「寝ないで起きててね?」甘い誘いを残してメンバーの誘いに出掛けて行ったんだ。