PRIDE 2
「だから、どうすりゃいいのか分かんなくて……」
直人らしからぬ弱気な言葉。
でもそれを私のせいだと思うなら、とても嬉しくて。
こんな風に直人を悩ませていたのかと思うと、やっぱり直人には申し訳ないのかもしれないけど、嬉しかった。
一般人の私でも、こうやって直人を悩ませられるなら、直人と恋愛することに引け目を感じなくていいんだ!そう勝手に言われた気分にさえなるわけで。
「無敵の直人さんも恋には臆病だった?」
ちょっとだけからかうように私が言うと、目の前の直人の顔が歪んで「言うね〜」いつものどや顔をされた。
だから2人見つめ合ってそれから一緒に笑ったんだ。
「今日私に連絡くれた理由は?」
この空気感がすごく心地が良いけど、欲張りな私は早く直人との未来を進めたくなっているのか、確信的な言葉を投げた。
私の言葉に笑っていた頬を締めて、また真剣な表情になる直人。
少しだけ俯き加減になる直人、すぐに顔を上げて、その表情はほんのり眉毛が下がっている。
続く言葉に私の心拍数は一気に上昇するんだ。
「単純に逢いたくなっちゃって、ゆきみちゃんに」
ふわっと微笑む直人に、今度は私が生唾をゴクリと飲み込んだ。