一週間 3
「までも…たぶんみんな気づいてますよ」
たっくんの部屋。
あの日の直人を思い出してほんの少しドキドキする。
「みんなって?」
「俺も、三代目のメンバーも……直人さん自身もね」
そう言ってニッコリ微笑むたっくん。
たっくんの言葉に「え?直人も?」聞いた私の声はちょっと裏返っていて。
そんな私に珈琲を出してくれたたっくんは、どうしてか嬉しそう。
「うん。直人さん一ノ瀬さんの気持ち分かってると思います。ついでに言うなら直人さんも、一ノ瀬さんのこと、気に入ってると。岩ちゃんは遊びだろうけど」
「……でも、直人さん連絡来なくて」
ボソッと呟くと、たっくんはちょっと吃驚した顔を見せて。
「やっぱり連絡取ってんじゃないっすか!直人さんまで俺に嘘ついたし」
「あ、いやその……」
「でもそれで繋がったわ俺」
「繋がった?」
「はい。どうして一ノ瀬さんが俺を呼んだのか…ね?」
たっくんに見透かされたように言われて、私は苦笑いを零した。
「それで?直人さんと連絡取れないって?」
たっくんが少しだけ面白いものを見つけたような顔をしていて。
でもそれは悪い意味じゃなくて。
勿論あんな人達とお友達をやっているたっくんだから、しちゃいけないことぐらいは分かっているであろうって。
たっくんに対して隠す必要がなくなった私は、ほんの少しだけ気持ちが楽になったようで。
「毎日連絡きてたんだけど…ここ一週間何の音沙汰もなくって…だから私、何かしちゃったかな?って」
わりと真剣にそう言ったんだ。
これでも結構悩んでようやくたっくんに縋るしかないって思って、結構な勇気を持ってここに来たつもりだったんだけど…――――――「え?」口から出たたっくんの声は言っちゃなんだけどマヌケで。
整った顔も、ちょっとマヌケッ面。
聞こえなかったのかな?って思って「だからその、一週間も連絡が来なくって…」私がもう一度そう言うと、「うん…」そう答えたんだ。