一週間 2



異変に気づいたのは、それから一週間後だった。





「…………」


あれ以来、どうしてか私のスマホには直人からの連絡が一度も来なくて。

別に付き合っている訳でもないけど、1日連絡が来ないことはあっても、2日目には必ず連絡がきていた。

だから、一週間もこないとなると……―――――


「避けられてるのかな…」


小さな不安が頭を過ぎる。

けれど、考えてみても、直人を怒らせるようなことをした記憶もない。

単に忙しいだけならいい。

けどそうじゃなかったら……


私が送ったLINEも、ちゃんと既読されてはいるものの、その答えはまだ返ってきていなくて。

だからなのか、余計に逢いたさは募るばかり。


「体調悪いのかな?」


まだツアー中だし、映画やバラエティーもやっている直人の忙しさは半端ないと思う。

倒れてなきゃいいけど。

結局直人から何も言われない限り、直人の状況なんて分かるわけもなく。

縋れる場所といえば、ただ一つ。




「一ノ瀬さん!どうしたの?」

「たっくん、ごめんね、急に」

「いいっすけど!何かありました?」

「うん」


直人のこと、どこまで話していいか分からない。

でも、 このまま直人に逢えなくなることは嫌だった。

そう強く思っていても、やっぱりたっくんにどう伝えたらいいのか分からなくて。


「直人さんのこと?」


言い出せない私にたっくんからの助け舟。

顔を上げると私を見下ろしていたたっくん。

クシャっと髪を撫でて、「好きになっちゃったんすね、直人さんのこと……」たっくんの言葉に、自分の気持ちを認めざるを得なかった。



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