飲み会 3
「本当ですか!?じつはこれ、直人さんのファッションチェックを見て、直人さんの趣味と似てるかなぁー?って思って買ったんです!えへへ」
嬉しいなって、ニンマリしてしまう。
「マジで?オレずっと気になってて、後で着てもいい?」
「はい、もちろんです」
「それにしても、オレのファッションチェック見てくれてたんだ?」
しみじみと直人がそうぼやいた。
三度の飯より洋服が好きって直人は、EXILE mobileでよく、私服を披露していて。
それを見るのが私の楽しみの一つでもあった。
買い物に行くたびに、直人が好きそうだなぁーと思う服が目に飛び込んできて、その影響でこのアウターも手に入れた。
それをまさかの直人本人に気にかけて貰えるなんて、これほど嬉しいことなんてない。
「当たり前です!直人さんが更新するの毎日待ってますもん!」
「いやぁー嬉しいね、そういう声。オレ調子にのっちゃうよ?」
あは、出たドヤ顔。
プライベートでもやっぱりドヤ顔の直人が可笑しくて。
「いいですよ!のっちゃって!」
「あげるね〜!?」
「あげますとも!」
勢いよくそう言ったら、電信柱が目の前にあったことに気づかなくて、そこに突っ込みそうになって、慌ててよけた。
直人しか目に入ってないなんて…
だから、ちょっと変な格好でフラついたら、グイッと直人の腕に引き寄せられて…
「大丈夫!?」
すぐ傍で聞こえる直人の声。
顔をあげるとそこにある直人の顔。
ど至近距離で見つめ合ってる私達…――――
「ち、近い!直人さん私心臓が持ちません…」
口から出た私のマヌケな言葉に直人の眉毛がガッツリ下がって、それからブッて小さく吹き出した。
スッと私を掴んでいた腕を離して笑う直人。
「キスできそうな距離だったね?しとけばよかった?」
からかいついでに直人がそんな言葉を発するから…
「ななななんてこと!!ダメに決まってるじゃないですか!今一番急上昇しているグループなのに、そんなことされたら、ファンは悲しみますよ」
「はは、だよね。ごめんごめん、オレ岩ちゃんが乗り移ったみてぇ!」
「もう。気をつけてくださいよ?ファンは本当にそーいうの嫌いですから」
「分かってる…」
そう言うと直人は何故か真剣な顔になって、それからゆっくりと唇を動かしたんだ。
「けどオレ達も恋はするよ」
星空の下、ドキンと胸が高鳴った。