プロ意識4
「んーゆきみちゃあん。好きよ。チューしてぇ?」
「飲み過ぎー直人さんてば!」
「んー」
ホテルの部屋に入るなり、ベッドに一直線の私達。
ベロベロに酔ってる直人だって思ってたけど、あれ?
千鳥足も演技?
だってベッドの上でガバリと着ていた服を脱いで私の服に手をかけて器用に脱がせていく。
「酔ってないの?」
「いや、酔ってるよ、結構」
「そうだよね、」
「ニャンニャンしたい気分なの、」
「ニャンニャンって。直人さんわりといつもニャンニャンじゃない?」
「こーら、俺をなんだと思ってんだ?」
「んー。大好き、」
あのダンサーみたいに両手を広げて直人に差し出すと、一瞬目を伏せた後、コツっておデコが重なった。
「ごめんね。でも俺が愛してるのはゆきみだけだから。」
「ん。嬉しい…。」
「大丈夫?胸、苦しくない?」
ソフトに触れる直人の手にそっと微笑んだ。
「ちきしょーって思ったの、本当は。あんな風に堂々と直人さんにぎゅーってされて、ちょっと羨ましいなぁなんて。でもこーいう時間は私だけのものだから、誰も知らなくてもいい、私だけが知っていればそれでいいんだって」
「ゆきみってやっぱいい女、ニャンニャンしてもいい?」
「ふふ、ニャンニャンしたいの?」
「しーたーいー!」
「いいけど直人さん、明日もライブでしょ?ほどほどにしてね?」
「いや全力でニャンニャンさせてもらう!」
二人で笑いあうと、胸におかれた直人の手がやんわりと円を描くように揉んだ。
ちゅ。って小さなキスの後、舌がニュルリと入り込んで吐息が漏れる。
「誰も俺達の間に入れないぐらいピタってしたいニャン!」
じゃれ合いながらニャンニャン言葉を話す直人にクスクス笑ってしまう。
「誰も入れないようにしてね」
「隆二とか健二郎とか、絶対ぇ入れない」
「直人さん、私最近若い子好きかも、」
「え?」
「だから隙間つくらないでね」
「……若い子って、大樹、とか?亜嵐…?」
起き上がって考え込む直人が可笑しくて首に腕をかけてそのまま私からのキス。
「ねぇ、俺のがモヤモヤすんだけど!」
「ふふ、モヤモヤ解消させてあげられるの、私だけだね!」
直人の上に乗っかる私を、それでも優しく受け止める直人が大好きだよ。
*END*