いつか…3


「直人さん…」

「うん?」

「夢見たい、こうして直人さんのお誕生日を毎年お祝いできるのが私だなんて、本当に嬉しい…」



数えきれないほどの沢山のファンが夢見るそこ。

EXILE NAOTOに毎夜恋焦がれるファンがどれだけいるのか?って。

その中でたった一人、直人の愛を全部貰うことができるのが私で。

不安はないけど、現実離れした感覚におちいる事はたまにあったりもする。

だけど直人はいつだって真っ直ぐで強くて大きな愛を私に与えてくれて。

幸せって言葉ではとても言い尽くせない気がする。

だから私は一生かけてこの愛を大事に守っていこうと思っている。



「自信もてよ。俺がゆきみが傍にいなきゃさ、ダメなんだよ」

「ん…」



お誕生日ケーキにつけた全部で33本の蝋燭の明かり。

スマホにセットしていたアラームが不意に音を立てる。

パチッと目が合って……



「ね?」
「な?」



問いかけが被ってクスっと笑う。

ひるがえした手の平を私に向けて「お先にどうぞ」ってレディファースト。




「うん。火このまま見てたいかも。ダメかな?」

「いや俺も同じ。綺麗だからもう少しこのまま話したい」

「うん。直人さん、お誕生日おめでとう!」

「ありがとう、ゆきみ。嬉しいよ」



ポンって頭を撫でる直人に近づいてチュッて触れるだけのキスをする。

キョトンとした後、珍しく照れた顔の直人。




「直人さん?」

「うん。いや…可愛いなーと思って。ゆきみがな」

「……ほんと?」

「嘘言わねぇし。いつも思ってるよ、ゆきみのこと可愛いって」



知らなかった。

大人になるにつれてそーいう言葉はあまり自分に対して聞かない言葉であって。

恥ずかしさを隠すようにちょっとだけムウってする私をそれでも優しく見つめている直人。




「そんなの、私だって思ってる。いつでもどんな時でも直人さんカッコイイって…」

「だろ!」




いつもの直人の笑顔に心が落ち着く。




「うん。でもてっちゃんとかてっちゃんとか、てっちゃんも、カッコイイ!」

「うおおおおおおおおいいいいっ!!それは言わない約束!聞くけどさ、俺と哲也さんの顔、どっちがタイプなの?」




そう言う直人もムスッと眉毛を下げている。

え、それ聞いちゃう?

顔でしょ顔……




「て、いや、直人さん!」

「却下!コノヤロウ!」




ガバリと私の身体を引き寄せて、ラグマットの上に押し倒された。

顎を掴まれてブチャな顔にさせられて、目を大きく見開く私をジロリと睨みつける。




「てって、なんだよ?てって…!言ったのこの口か?」

「直人さん!直人さん!直人さん世界一カッコイイ!」

「もう遅いっ!」




そう言うが私の口に甘いキスを落とした。

両肘を床につけて私のおデコに手を当てながら何度もキスを繰り返す直人に、意識が朦朧としてくる。

- 147 -

prev / next

[TOP]