守りたい1
―――どんな直人だって大好きで、かっこいいよ。
「ただいま〜」
仕事が早く終わるからって、ここ最近火曜日に呼ばれることが増えた。
でもそれが直人の出すSOSだとは気づくはずもなく、私は疲れた顔で帰ってきた直人に駆け寄った。
「直人さんお帰りなさい」
「ゆきみちゃんハグしてぇ〜」
両手を広げて玄関で私を待っている可愛い甘えん坊な恋人をギュっと抱きしめると、ふわりと直人の温もりに包まれた。
「…癒される」
「ほんと?」
「うんめっちゃ…」
「よかった」
しばらく温もりを感じていたものの収集つかなくなっちゃうからって二人でリビングへ移動した。
さっきまで見ていた録画したバイキング。
「ねぇこれって直人さんちょっと気まずくない?」
「え?」
「この内容…」
テレビを指差すと、そこには昼間放送されたもので、セックスレスの夫婦の解決法を議論する内容が映っている。
それを見て直人がよりいっそう嫌そうな顔で「ああうん」小さく答えた。
まだ独身の若手である直人には若干答えずらいものばかりが飛び交っていて、時たま司会の坂上に変な下ネタを飛ばされて苦笑いで否定している直人を最近よく目にする。
「坂上さん、余計なこと言わなくていいのにね」
チラっと直人を見るとキョトンとした顔で。
あれ?
話し聞いてなかった?
「直人さん?どうかした?あ、疲れてるよね。先にお風呂にする?それとも…―――ゆきみ?」
「………へ?」
吃驚した顔で私を見下ろす直人に、ヤバイ外した!!って途端に真っ赤になっていくのが分かった。
「嘘嘘、今の無し!ちょっと言ってみたかったの…。ごめんね調子に乗った!今の忘れて!」
「いや、無理でしょ。風呂もいいけど〜…」
ソファーに伏せる私の腕を引っ張って身体を反転させられた。
ぎゃああああ、見ないで!!
今すっごいブスだから。
そう思ってるけどもう、全部が恥ずかしくて何も言えない。
羞恥心から泣きそうな顔で直人を見返すも、さっきまでのキョトンとした顔なんてもうそこにはなくて、いつもながらのドヤ顔で私を見ている。
「せっかくだから先にゆきみにする!」
ソファーに勢いよく押し倒されて…
クスって微笑みながらキスをされた。
チュパって唇を重ねると恥じらいよりも嬉しさのが募って……幸せを感じている私の上、気付いたら直人が上半身裸になっていた。
カチャカチャって片手でベルトを外した直人はそのまま腰を振ってジーンズをラグマットの上に落とした。