強く、強く…


映画が好きなうちのボス。

でもそのたいていはアクションものばかりで、唯一ラブストーリーだといえる映画が、豪華客船のたった数日間の恋を描いたタイタニック。

人生の中でこの3日間以上に濃い日なんて有り得ない。

ここは船上なんかじゃないけど、私は一つ一つを全部心に刻みつけるように直人と過ごす。





「今日は家で仕事だな!」




夜中まで直人に抱き潰されたから、朝いつもの時間に起きれなくて。

目を開けたら直人が部屋着のままパソコンを開いていた。




「あっ、直人さんご飯今作るっ!」

「おはよ、ユヅキちゃん。ごめんね身体痛いでしょ?」



凄い嫌悪感というか、怠さというか、直人を見て「うん、腰が壊れてる!」そう言うと直人が手を伸ばした。




「ここ座って?」

「うん」



直人が座っているソファーの横にちょこんと座るとチュッてキスをされる。




「俺あれじゃ足りないんだよねぇ。今日は1日中イチャイチャするんだよね?」




言いながらも何度もキスを顔中に降らせる直人はちょっとエロ目。




「仕事は?」

「うんだからここでする!でも俺自由だから今日はユヅキちゃん優先にしちゃう!1日一緒に過ごせるなんて貴重だし」

「直人さん、嬉しい…」

「俺のこと好き?」




コツっとオデコを重ね合わせてそう聞かれて。

答えなんて当たり前に分かってるはずだけど、直人も私と一緒で、それを聞きたいのかもしれない。

だからギュッと抱き着いて「大好きっ!」そう言ってそこに直人を押し倒した。

ソファーに寝転がりながらも私を抱き留める直人の上に乗って唇を重ねる。

ギュッと下から私を強く抱きしめる直人に、朝一甘くて濃厚なキスをあげた。




「直人さん、硬いよ?」

「うん。勃っちゃった。ユヅキちゃんのキスが気持ちいいから」

「触ってあげようか?」

「触って…」




鼻から抜けるような心地良さげな直人の声に、ラフなジャージを簡単に脱がせると、黒パンツはモリッとしていて、そこをパンツの上から触る。




「アッ…」




チュッて軽いキスを落とすと直人が「ユヅキちゃん…」ちょっとだけ苦しそうな声。




「なぁに?」

「舐めて…」

「仕方ないなぁ!」



黒パンツをずり降ろすと、ピョコっと顔を出した直人の直人。

根元を指で軽く握って先端にチュッと舌を這わせるとビクッと直人が腰を浮かせた。

そのままおもむろに口に含んで奥まで入れると「ア―――ヤベェッ…」直人の呼吸が乱れていく。




「気持ちいい?」

「めちゃくちゃ…」

「じゃあもっとやってあげる」




ジュルっと音をたてて上下に頭を動かしながら何度となく口に含む。

反対の手で、下の袋を撫ぜると直人が大きく口を開けて喘いでいて。

力の入った手はしっかりとソファーを握っていて、片足立てながら腹筋に力が入るとシックスパックがピクピク動く。

時折そこに指を這わすとまた直人が大きく声を漏らす。




「ユヅキちゃん、そろそろヤバイ…」




直人の声に私はいっそう指を使いながらも顔を動かす。




「クッ…」




小さく呟くと筋肉が凝縮して、次の瞬間口の中にドロッと直人の液体が出てきた。

カクッと肘をついて呼吸を繰り返す直人に、それを飲み込んだ私は抱きついた。




「不味いでしょ?」

「内緒!」

「だってキスすると不味いから…」

「あはは、自分で言ってる!じゃあキスしない?」

「それは無理。不味くていいからいっぱいして」

「じゃあ舌出して?」




直人が厚めの舌を出すと、それをゆっくりと絡めとった。

チュルっと音を立てて直人の舌を舐める私に、鼻息がまた荒くなってくる。




「ユヅキちゃん、今日本当にエロい…」

「イヤ?」

「最高!身体また痛くなっちゃう、ごめんね?」

「先に謝っとくの?」

「そう。先に謝っとく!だから抱かせて…」

「うん。いっぱい抱いて…」




一生分して。

きっとすぐに忘れちゃうから。

アキラに記憶を消されても消えないぐらい強く、強く、抱いて――――――
- 81 -
prev next
▲Novel_top