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純粋な心
私を組み伏せて至る箇所に唇を這わせる哲也。
いつも以上に余裕のない哲也をギュっと抱きしめる。
今は直人のことも誰のことも考えない。
考えたらこの行為はきっと止まってしまうから。
着ていたTシャツを脱がされると一瞬哲也の目が大きく見開く。
目を細めて天井に顔を向けた哲也は、焦っていたペースをゆっくりに戻した。
「…綺麗だよ、ユヅキ…」
「…――え?」
「身体、ちゃんと綺麗だから…」
耳元で囁くようにそう言うと、耳に舌を入れ込む。
ゆっくりと焦らすように耳朶を甘噛みされて、周りを舌で縁取ると、ジュルルっと口に含まれた。
快感が身体を突き抜けて「アアアアッ」甘く声をあげる。
汚いって思ってるわけでもないけど、純粋な気持ちで愛する直人に抱かれるのは心苦しいものがあった。
だからそう言ってくれたんだって分かる。
いつだって私の幸せを望んでくれる哲也の頬に手を添えると、ストレートな前髪から覗く目が真っ直ぐに私を捕らえた。
「てっちゃんも綺麗…。すごく綺麗…」
「俺はそんな純粋な心、もう捨てたよ」
耳朶から離れて首筋を舐める哲也の呼吸が少し荒くなっていて。
どこまで哲也の心に触れていいのか正直分からない。
直人を愛してしまった今、哲也への愛が誓えない私に、どこまで触れていいのか…
「じゃあそれ私が拾う。落ちてたからって…」
そう言って哲也の首に腕をかけて引き寄せると強引にキスをした。
舌を絡める私に、されるがままの哲也。
生温い哲也の口内を舌でねっとり舐め回す私に、「ハァッ…」時折漏れる哲也の吐息に子宮がキュンっと疼く。
まだキスしかしていない私達だけど、哲也のソコはもう硬くなっていて。
ゆっくりと片方の手でズボンの上から触れると「アアアッ…」哲也の声が大きく響いた。
「まだ脱がない。ユヅキを俺のもんにしてから…」
哲也の声に首筋から鎖骨、胸に降りてきた唇が私の身体を濡らしていく。
胸の突起を指で摘みながら、反対側を舌で転がされて身体の奥が熱くなっていく。
忘れもしない、身体に刻みこまれた哲也の温もりにジッと私を愛撫する哲也を見つめていた。
サラサラの髪を揺らして舌で胸を弄ぶ哲也は、そんな私に気づいて視線を絡ませた。
「見てんなよ」
「かっこいいよ、てっちゃん」
「当たり前だろ」
そう言うと、手首を掴んで上にあげられた。
そのまま脇の下にジュルリと吸いつく哲也。
「アアアアッ…」
快感が身体を一気に突き上げる。
舐めるペースに合わせて身体ごと上下に擦りつけてくる哲也に至るところが擦れて気持ちがいい。
身体に染み付いている哲也の温もりにそっと目を閉じると、悲しくも浮かぶのは直人の顔。
数えきれないくらい哲也に抱かれてきたのに、哲也に抱かれながらも結局私の心の中は直人でいっぱいなんだって、思い知らされた。