以心伝心
スマホカメラでカシャっと写メを撮られてニンマリしている隆二。
「待受けなんかにしたら山口さんと松岡さんにからかわれるんじゃないの?」
昼間の事を思い出してそう言うと、一瞬ハッとしたような顔をしたものの「いいよ、それでも」なんて微笑んだ。
「ね、これ臣にも送っていい?」
「え?うん。いいけど」
「ユヅキ連れて一緒に来い!とか言われそう。今度一緒に行く?」
「うん。隆二がいるなら」
見つめた私にチュって小さなキスが落ちた。
それから隆二の着替えをして、二人で煙草とアレを買いに外に出た。
裏道を抜けて大通りに行くと商店街がって、そこを二人で手を繋いで歩く。
「煙草は自販で買うから、アレ買わなきゃね〜」
「うん。何箱?」
「10箱ぐらい買っとく?でも結婚したら子供も欲しいしなぁ〜。でも10箱なんてすぐなくなっちゃいそうだしなぁ〜。ネットとかで買った方が安いのかな?」
基準が10箱になってる隆二が可笑しい。
隆二相手だと私でさえ理性なんて飛んじゃって、色んな感覚が麻痺していそうなんだけど。
「私服もかっこいいなぁ、隆二…」
「え?話聞いてなかったでしょ?」
目を細めて優しい顔で私を覗き込む隆二。
毎日見ても飽きない顔。
何時間見ても飽きない顔。
この先隆二だけを見ていたい…なんて純粋に思えた。
「ごめん。だってかっこいいんだもの。スーツも素敵だったけど、私服は私服でかっこいい。目が離せないよ…」
「ずっと見てていいよ。俺もユヅキのことだけ見ていたい…」
同じ気持ちなのが嬉しい。
他の人なら重いと感じるようなことでも、私と隆二の中では愛に溢れた気持ちなわけで。
「あ、目逸らした!」
「ははは、ユヅキを守る為にちゃんと前も向いてるから」
「…大好き」
こんな台詞も隆二だから言葉にできるんだと思う。
それをちゃんと受け止めてくれるから。
嬉しい、俺も!って返してくれるからもっともっと言いたくなる。
繋いだ手にキュっと力をこめると、隆二が困ったように笑う。
可愛すぎるって思ってくれた?
好きだよって。
外だからキスできないじゃん!ってそう思う?
「もー本当可愛すぎて困る。俺も大好きだし…――チュウしたいじゃん」
…通じてる。
嬉しい!
フワって隆二の腕に巻き付くみたいに身体を寄せた。
「帰ったらいっぱいして」
「もちろんだよ」
ポンポンって反対の手で私の頭を優しく撫でた。
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