愛の結晶
ドライブがてら隆二の運転する車の助手席に乗って夜の街を堪能する。
隆二の癖なのか、髭を触りながら片手で運転していて、その姿が本当にかっこいい。
たぶん私、一生隆二のこと見ていても飽きないんだろうなって自信がある。
それくらい隆二の全部が大好きだった。
赤信号で止まる度に、視線を私に向ける隆二にニッコリ微笑み返すと、髭に触れていた手を私の髪に触れさせる。
「可愛い」
隆二にそう言ってもらう程、きっと私たちの愛は深くなっていく…そんな気がする。
「ふふふ。どこが可愛い?顔?身体?声?性格?ねぇ、どこ?」
隆二の肩に肘をかけて耳元でそう聞くと、目を細めて笑っている。
チラっと私を見るその視線は上から下までジロっと舐めるように見ていて。
「エロイとこ!」
「ええっ?どういう意味?」
「そのまんまの意味!もうユヅキ以外抱けないよ俺」
「え、抱く気あったの?」
「まさか!ユヅキじゃなきゃ勃たないって。ユヅキと付き合ったあの日から」
「ほうほう、それは良いことだ!どれどれ…」
「え、え、ちょっと待っ…」
慌てて私の手を止める隆二。
勿論本気でここでする気なんてないけど、いつだってこうやって隆二とじゃれ合っていたいんだ。
ほんのちょっと上からそこに触れると、想像以上に硬い気がして。
思わず隆二のことをガン見した。
これまた珍しく赤面している隆二に、キュンってなっちゃうのは仕方のないことであって。
「隆二…」
「え?」
こっちを見ないで前だけ向いて運転している隆二。
「隆二、こっち見て」
「…ユヅキ…意地悪…」
半笑いの隆二が私を見つめた。
「これは、なに?」
「なにって、俺の愛!」
「なるほど…」
「もう言っちゃうけど、さっきからずっと我慢してんの俺。会社出た後からずっと。あんな風にユヅキのこと熱っぽくさせたの俺でしょ?それって最高に嬉しいことだよ。早くユヅキと二人っきりになって、早くユヅキに触れたい…そればっかずっと考えてる…」
ムウって唇を尖らせてそう言う隆二に、首に腕をかけてチュっと頬にキスをした。
「…足んねぇそんなんじゃ」
グイって隆二の腕が私の首に回されて、力強く引き寄せられて今日何度目か分からないキスが落ちてきた。
舌を絡ませて口内を舐められて息があがる。
やめてほしくない、このままずっと―――プップー後ろから鳴らされたクラクションに唇を離すと、透明の糸が滴り落ちた。
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