やっぱり我慢
「隆二?」
「この野郎!」
「へ?」
私の胸元に顔を埋めて甘える隆二。
この至近距離で上目使いをされて「ユヅキ、キスして?」まさかのオネダリ。
え、なによ…すっごい可愛い。
心臓ブッ壊れそうなくらい可愛い隆二にキュンっとして、その頬に手を添えて上から覗き込むように隆二の顔に近づいて唇を重ねた―――
鬚が唇付近にあたってくすぐったくて、でもこの感触が心地よい。
鬚あっての隆二のキスにだいぶ慣れてきたわけで。
隆二の長めの舌が私の舌を緩く絡み取っている。
車内に流れている洋楽に紛れて奏でる舌が触れ合う音に子宮がキュっとしまる気分になった。
チュって小さなキスを頬に落として、そのまま隆二の耳に舌を移動させる。
「ンアッ…」
小さく堪えるような隆二のこもった声にクスっと微笑みたくなった。
「耳、すき?」
「んぅ…ヤバイ…」
そう言いながらも隆二の手は私の手を掴んで隆二のソコに移動させる。
触れたソコは言うなればちょっとだけ硬くて…若干太い…
思わず目を開けて隆二を見ると「我慢ができないよユヅキのせいで…」困ったように微笑んだ。
「これじゃオミくんに会えないよ?」
「もうキャンセルしたいくらいなんだけど…」
そう言うと隆二は少しだけ冷静になったのか、そっと私を離すと窓を開けて煙草に火をつけた。
煙草は正直苦手だけれど、スーツで運転席で煙草…どうしようもなくかっこいい。
オミがどれほどかっこいいのか分からないけど、今日の隆二に敵う相手はいないって思う。
私の中で無敵な隆二以上の人なんていないって…
「いいよ、このままここでシても」
愛が溢れるとはこういうことなのかもしれない。
今この愛されたいって気持ちを止める術がなくて。
瞬きを繰り返す隆二は煙草を持っていることすら飛んじゃんっていたのか…「あ、灰落ちちゃう!」私の言葉に慌てて灰皿に煙草を押しつぶす。
「だ、ダメだよこんな場所で。誰に見られるか分からないし、身体痛くなっちゃうし…。ちゃんと家まで我慢するから」
「いいの〜?」
「いいよ!ダメダメ、絶対こんな所じゃシない」
「分かった!でもそれ大丈夫?」
まだおさまりきれていない隆二のソコをチラっと見ながら言うと苦笑いで「後でジャンプして戻す」…ちょっと女の私には理解できないけど、隆二の意見を尊重しようと思う。
「よし、それじゃ行こうか!オミの所!」
「だから、オミ呼びやめて!」
ムウってする隆二が最高に可愛い。
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