バレバレ

「うおおおお、マジでっ!?やっぱなぁ〜そうだと思ってたんだよ〜!隆二のユヅキちゃんを見る目がいっつも厭らしかったからよ〜!いや〜めでたい、めでたい!んじゃあな!いい夜を!」


ポカポカ隆二の肩を叩いてご機嫌に行ってしまった松岡さんだけど…。

シーンとした車内。

隆二と思わず目を見合わせて噴き出した。


「え、言っちゃうかな…」

「ん〜五分五分…。まぁ明日になれば分かるよ!…ごめんやっぱ隠しきれなかったね。変なこと聞かれても答えなくていいから。全部俺にふって。俺が全部答えるからさ!ユヅキのことは俺がちゃんっと守るから安心して」

「隆二…その格好でそんな台詞言っちゃダメ!隆二がどこぞの営業とかだったら絶対嫌…。そんな姿誰にも見せたくなくなる…」

「うわそれ快感!大丈夫、スーツだろうが裸だろうが俺、ユヅキ意外興味ないから」


だからやめてぇ〜。

本当にただスーツ着ているだけなのに、こんなにも胸がドキってしてしまう。

そっと隆二から目を逸らそうとすると「こっち向いて、俺のこともっと見て…」そう言うが隆二の手がまた私の頬に伸びてきて。

その指が唇の上をなぞってくる。


「さっきの続き…―――」


そう言った隆二は私の頬から首の後ろに手をかけてグっと引き寄せながら顔を寄せる。


「ユヅキ、愛してる…」


甘く囁いた後、隆二の唇がそっと私に触れた。

抱きしめられて強烈に隆二の肌の匂いを感じる。

大好きな匂いに包まれて最高に幸せ。

至近距離で見つめ合ってもう一度キスをする。


「やっぱ甘い、ユヅキの唇…」


ペロって隆二の舌で舐められて溶けそう。


「ん、りゅーじ…」


そっと目を開けると暗く影になってて。

窓を閉めてる分にはフィルムを貼っているから覗きこまないと外から中は見えなくなってはいるんだろうけど…


「あ、隆二!ダメ!」

「え?」


ドンドンドン!ドアを叩く音がして…―――「マジかよ…早いなぁ松岡さん!」そこにいるのは山口さんと松岡さんの二人組。

ウイーンって窓を開けると「おい隆二!お前送り狼になるなって言ったろ!全く、どうりで怪しいと思ったわ」…うすうす気づいてたとでも言いたそうな顔で山口さんが私と隆二を交互に見た。

そのままどうしてか視線は私の下半身を見て…小さく溜息をつかれた。


「すいません。けど真面目に付き合ってるんで…。あんまり色々詮索されちゃうと可哀想なんでユヅキが…お手柔らかにお願いします」


フワっと隆二が笑った。


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