未来への一歩
ソファーに身体を預けてビクビクビクっと全身を揺らす。
「ンッ…」
次の瞬間、隆二が私の上でほんの一瞬止まる。
眉間にシワを寄せて肩をほんの少し縮こませた後、隆二の下半身も私と同じようにプルプルと震えた。
ゴムの上からでも分かる熱い液が私の中に溢れ出てきて…
「アアッ…」
最後に小さく隆二が鳴いた。
クテっと私の上に身体を預ける隆二の背中に腕を回してその温もりごと抱きしめる。
重なっている胸からは物凄い音をたてて呼吸をしている心臓。
私も隆二もバックバク。
ただ無言でしばらくの間ギュっと抱き締めあっていたんだ。
「大丈夫?」
お決まりな隆二の言葉に安心して微笑む。
「うん。隆二は?」
「俺…言葉に表せないくらい気持ちよかった…」
「うん、私も…」
「何か思ったんだけど、やっぱりユヅキとずっと一緒にいたいな〜って。この気持ちずっと大事にしていたんだよね。そりゃ仕事も友達も大事だけど、今一番大事にしたいのはユヅキ。ユヅキと一緒に過ごす時間が俺にとっての最優先で…ユヅキと一緒にいる為に、全てのことが頑張れるんだって…」
ゆっくりと、ゆったりと話す隆二の言葉を、夢見心地で聞いていた。
「うん…」
「会社に隠すことよりも、バレたっていいから俺、ユヅキと一緒に住みたい…」
素直に嬉しい。
本当の本当は私だって1秒も隆二と離れたくなかった。
もっと色んな隆二を知りたいと思うし、もっと色んな私を見てほしい。
嫌な所も、受け止めたい。
「うん。住もう隆二。一緒に住もう!私も隆二と離れたくない…ずっと愛して貰いたい…」
永遠に続く愛なんてものはこの世にはもしかしたらないのかもしれない。
でも、今この瞬間そんな悲しいことはとてもじゃないけど思えなくて。
隆二とだったらずっと愛し合って生きていける気すらするんだ。
「ユヅキ…ほんと?いいの?俺しつこいよ!毎日ユヅキのこと抱きたいし、キスだって数えきれない程したい。ずっとユヅキに触れていたいし、たぶん独占欲丸出しだと思う。でもそれが俺で…ユヅキのことが大好きな俺…」
「なかったよ、隆二を拒む理由なんて」
「マジで!?あ〜ヤバイ!マジでユヅキのこと好き」
ギュっと隆二が私を自分の上に抱きあげた。
「絶対離さないから」
オデコをつけて至近距離でそう言う。
離れてあげないから…って意味を込めてそんな隆二を抱きしめた。
その日から私達は二人で住む家を探すこととなる…――――
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