大事な一時

「あっ、もう無理っ…」


子供みたいな声でそう言った後、すぐにドクドクドクっと私の口の中にドロドロの液が放出された。

目を閉じてソファーに埋まるようにして呼吸を整える隆二。

…苦いそれをゴクっと飲み込むと、喉が焼けるように熱かった。


「えっ、飲んじゃったのっ!?」


そんな私を見て吃驚する隆二は、まだ荒々しい呼吸をしながらも私の手を取って身体を引き寄せた。


「ん〜うん」

「マズイんでしょう?もー出しちゃってよかったのに…」


そう言ってテーブルに置いてあったペットボトルの水を私に差し出してくれた。

素直にそれを受け取ってゴクゴク飲み干す私を見て…「俺にもちょうだい」そう言ったかと思うと、隆二の手が私の顎に触れてそのままチュっと唇を重ねた。


「ユヅキ…」


キスをしながら名前を呼ばれてそっと目を開けるとしっかり目を見開いて私を見ている隆二。

軽く舌を入れた隙間から水が隆二の中に流れ込む。

そのまま吸い込まれて殻になった口内を隆二の舌が動き回る。

舌を存分に甘く絡めてからチュってリップ音を鳴らして離れた。


「…まず〜。もう飲まなくていいからねユヅキ。けどちょっと嬉しかった。ありがとう」


キスの後隆二がそう言うから可笑しくて「うん、ありがとう」そう返したらチュ…チュッ小さなキスを顔中に落とす。


「あはは、くすぐったい」

「もっとしちゃうっ」


甘えるように隆二が私の身体に顔を埋めて小さなキスを繰り返す。


「そろそろユヅキの中に入ってもいい?」


達したばかりなはずの隆二だけど、そう言った手前チラリと視線をソコに移すと、ちゃっかり剃れあがっていて。


「早くない?」

「だってユヅキに触れてるから。それだけで俺反応しちゃうんだよね〜」

「もう、隆二ってば」

「ユヅキ…」

「うん?」

「抱かせて」


ドキっとする。

そういう台詞をサラリと言って許されちゃう隆二が愛おしくて。

まだご飯も食べてないのに、お風呂も入ってないのに、隆二が欲しくてたまらない。

何を差し置いてもこの甘い一時が大事なんだって実感する。

そう思えるのは隆二だからだって。


「うん…」


私の言葉に隆二はゆっくりと私をソファーに埋めた。

見つめ合ってオデコをくっつける隆二。

少しだけ汗をかいている私達。

ゴムを装着した隆二が私に跨って足を開かせる。

そこにゆっくりと埋め込んでいくとまた子宮の奥がキュンっと鳴いた。

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