消灯時間




ゆきみの気持ちを確認してシャワーを浴びた。


「やっぱこれ照れる!」


今更ながら隆二とお揃いのTシャツに照れてるゆきみが可愛い。


「自分でそれ取ったんだよ、ゆきみってば。隆二喜ぶだろうな〜」


ふふふふって思わず笑いが漏れる。

テントに戻ると、直人くんの姿がなかったから少しだけホッとしているゆきみがいて。

Tシャツを見た隆二がニッコリと微笑んでいる。

ちゃんと同じTシャツを着ている隆二が嬉しい。


「臣!臣!」

「なに?ゆきみ大丈夫?隆二がこの世の終わりみてぇな顔してたよ」

「ふふ、うん。大丈夫。もうちょっとで届く…」

「そっか。サンキュー」


ポスっと臣の大きな手が頭に乗っかる。

これからって時なのに、思ったよりも時間の過ぎるのは早く、消灯時間になっていた。

アキラ先生が点呼を取りに来る寸前で直人くんが戻ってきて。あたしとゆきみを真ん中に、両隣に臣と隆二。

どうしよう、幸せすぎて眠れない…なんて思っていたのに、気づいたらあたしもゆきみも夢の中で…―――真夜中にふと目が覚めた。

隣にいたはずの臣がいなくて、ゆきみの隣の隆二もいない。

え、なになんで?

ちょうど寝返りを打ったゆきみの目がうっすらと開いた。


「ゆきみ、臣と隆二いなくて…」

「…星かなぁ。見に行く?」

「うん!」


手を繋いでこっそりテントから出ると、少し遠くの大きな石ころの上で、臣と隆二が二人でそこに座って星を見ていた。

近づくと、何やら話し声がして、思わず二人で顔を見合わせると、石の後ろ側、あたし達もそこに静かに座った。




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