輝く四つの星




二泊三日のキャンプ。

ここにくるまで色んなことがあった。

終わってみればそれは寂しいもので。

でも最後に4人で飛んだあのジャンプがわりとわたしの中での思い出で…。


「はは、すげぇ顔してんなこれ」

「どれ?」


できあがった写真を隆二の部屋で見ている。

奈々と臣は部活が終わってからくるからここにはわたしと隆二の二人きり。


「直人にゆきみ取られて激怒してた時の俺…」

「ふは、ほんとだ。でも可愛い。でもそんな隆二も好き…」


…チラっと隆二を見ると思った通り、わたしを見ていて。

視線が一度入口のドアまで行くと、手を伸ばしてそれを締めた。


「隆二、」

「うん?」


返事をしながらもふわりとわたしを抱きしめる隆二。

後ろからギュってバックハグ状態の隆二の吐息が首筋を掠る。


「奈々達帰ってきちゃうよ?」

「まだ来ないって」

「…隆二ママが買い物から帰ってくるかもよ?」

「大丈夫、部屋には入らないから」

「お兄ちゃんが、」

「ゆきみ、怖がらないで」


…怖くなんてない。

だって隆二だもん。

隆二にされることで怖い事なんて一つもない。

くるりと隆二の方を向くと、「んー」って目を閉じる。

ちょっとだけアヒル口の可愛い隆二の頬に手を添えて顔を寄せる。


「怖くないよ、隆二だもん…」


小さなキスと柔らかい温もり。

いつだって優しい隆二は、やっぱりどこまでも優しくて、沢山のキスと沢山の愛で全てが満たされた時間だったんだ――――。



この人とこうなる為にわたしはこの世に生まれてきたんだって、心から思う。



「ゆきみ、隆二!ただいまー!」



部活の終わった時間になって、奈々と臣がこの部屋に帰ってくる。

幼馴染って関係が恋人に変わったわたし達は、それでもきっとこの先も4人一緒にいるんだって、そう信じる。

そしていつまでも4人であり、周りのみんなが幸せであって欲しいと。

四つの星は、離れることなく輝き続けるだろう――――




*END*



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