SHORT U | ナノ

 秘密のレッスン5

授業終了のチャイムと同時に机の横のホックにかけていた鞄を手に持つ。


「直人そんなに急いで…ああ、今日勉強会か厭らしい英語の!」


一歩走り出そうとした俺を呼びとめた哲也。

いやその言い方だと俺が変態に聞こえるじゃねぇかっ!!


「厭らしくねぇっつーの!」

「なんで?だってシちゃうんでしょ、セックス!」


あえてなのか「セックス」って単語を声を大にして言う哲也。

だからクラスのみんなが俺を見ていて。


「いやいや違うから!」

「え、シないの?セックス!」

「だから…そーいうんじゃねぇって!俺とユヅキは!!」

「そんなこと言っても鼻の下伸びてるし、下半身膨らんでるよ!」

「えっ!?」


思わず自分のソコを見つめるけど至って普通で。

だからか、クラスのみんなが俺をますます変態を見るような目で見る。

あーもう、哲也のせいだ!


「違うから、マジで!もう行くから俺!」


どーでもいいやって思って鞄を肩にかけて全力疾走。

チャリ置き場でチャリに跨って猛スピードで家に帰る。

今日は親が学会でいない日だから、兄貴たちも帰りが遅い。

堂々と俺の部屋でユヅキさんとできる…

まぁするけど。

―――ちゃんとしたお勉強をね。





「はい、これ訳して」


シャーペンで文字をなぞっていくユヅキさん。

あ、今日スカート可愛いなぁ。

香水も甘くていい香りだし、唇のグロスがツヤツヤでうまそう…


「こら、直人くん!どこ見てんの?」

「えっ!?」


唇を指で摘まれてムンって顔になってる俺。


「さっきから目がエロ目になってるぞ!」


そう言ってスッと手を離したユヅキさん。

その手を捕まえてニコっと笑って見せた。


「今日親いないっす!」

「そんなに笑顔で言われたら怒れないじゃん…もう」


そう言って俺が握った手に力を込める。


「だって今日逢えると思ったら色んなもん我慢きかなくて…」

「勉強はいいの?」

「勉強より大事なこと、教えてよ。ユヅキさんしか無理なこと…」


スッとすべすべの肌をなぞるとそっと目を閉じるユヅキさん。


「直人…」

「ユヅキ…」


ギュっと握った手を引いて後ろのベッドの上にダイブした。


「レッスン開始!」


そんなユヅキさんの声と共に俺の上に柔らかい感触が降りてきた―――。





*END*

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