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「ね、戻らなくていいの?」
「...それ今言う?」
「...だ、だって、なんか悪いかなって。明日も、いや今日もライブだし、陸ちゃんいつも結構早く寝てるのに体調崩しちゃったらそんなのいやだし。」
ふわりと私を抱きしめる力を緩めた。
散々健太の誕生日をみんなで祝った後、私の部屋にこっそりやって来た陸ちゃん。
そりゃ嬉しいんだけど、根が真面目なせいか、陸ちゃんの健康を優先したいわけで。
「マイコさんは俺とキスしたくないの?」
「...そんなことない!」
「じゃあ、はい、目閉じて。」
肩に置かれた手は温かくて優しい。私を見つめる陸ちゃんの顔も文句無しにかっこよくてドキドキする。
ゆっくり目を閉じると、フライング気味に陸ちゃんの甘い唇が重なった。
触れるだけの小さなキスを何度か繰り返して、おデコをくっつけて「マイコ...」名前を呼ばれる。
そのまま陸ちゃんを見上げると「もっとエッチなチューしてもいい?」...陸ちゃんてば、そーいうこと聞いちゃう派なの?
「恥ずかしいから聞かないで。なんでもしていいから。」
「ふは、りょーかい!」
嬉しそうに笑った陸ちゃんは、私の肩を手で押してベッドに埋めていく。
まるで「遠慮なく」といでも言われてるよう、陸ちゃん舌がニュルリと入り込んで全身の神経がキスに集中する。
明日のこととか考えたら止めなきゃなのに...
どうしよう、止めらんない。
「陸ちゃん、好き。」
「俺も好き。いや、俺のが好き!俺のが大好き!.........マジで好き。」
気持ち込めて言ってくれる陸ちゃんに感情が高ぶる。大人気なく陸ちゃんの愛を独り占めした私はそのまま陸ちゃんに抱きしめられて幸せな朝を迎えた―――...。