▼ hagu3
あっ!って思った時には空気に触れた肌に哲也の甘い舌が絡みつく。
一気に気持ちが溢れる。
感情に任せて漏れる声にコタツから顔を出した哲也が一言「あっつ!」叫んだ。
見るとほんのり額に汗を浮かべていて、頬が赤く染まっている。
「やっぱりコタツ無理じゃない?」
「…だな。とりあえずこのままギューさせて?」
ふわりと哲也の温もりに全身包まれた。
ドクドク早る心音に目を閉じてそっと哲也の背中に手を回した。
「てっちゃん、嫌なことあった?」
「―――え?なんで?」
「なんとなく。私に甘える時は決まって嫌なこと隠してるの、多くない?」
なんとなく、哲也が私に助けを求めているような、そんなキスだったように思えて。
勘違いならそれでいい。
だけど永遠のパートナーとして私を選んでくれた哲也にとって、私は女だけどその全部を受け止めて包み込んであげたいって常に思っている。
人間なんて所詮は弱い生き物で決して一人では生きてはいけない。
だからこそ、傍にいる人を大切にしなきゃってつくづく思ったりする。
私にとっての哲也は、かけがえのない大事な人だから。
「あーまぁ、そんな大したことじゃないけど、ユヅキのこと抱きしめてると、安心するから…」
「うん。じゃあもっとギューして」
「え?」
「私もそこそこ嫌なことあったりして」
「え、大丈夫?」
「うん。てっちゃんのギューで忘れる」
「じゃあギューする…好きだよユヅキ…」
「私も、だーいすき、てっちゃん」
「俺のが好き…」
見つめ合って甘いキス。
大好きな人の温もりは、何にも変えられない心の癒し。
てっちゃん、ずっと一緒にいようね。
*END*