▼ 1ミリのキス4
「ンッ…」
甘い声が何度も漏れる。
強引なのに優しいキスに酔いしれる。
もう何も考えられない。
「てっちゃんもっと…」
フッて笑ったテツヤに口の中を思いっきり舐められて息が上がる。
たってられないぐらいの激しいキスを余裕で繰り返すテツヤの腕に痛いくらい絡まりつく片足のあたし。
族の頭のキスは腰が砕けそうでぶっ倒れる寸前なんだと、知った。
「このまま抱いてやろーか?」
「…ハァッ…」
まだ呼吸を整えているあたしの肩についた毛先を軽くクルリともてあそぶテツヤ。
このままてっちゃんと…
「さすがに怖い?」
「怖くない、てっちゃんと一緒にいたい」
「お前亜嵐の女じゃねぇだろ?」
「…うん。てっちゃんのバイクの後ろに乗るのが夢で…」
「叶ったじゃねぇか」
「まだある!まだまだてっちゃんと叶えたい夢がいっぱいあるよ!」
「変な奴だな」
「なんであたしを乗せてくれたの?」
「別に理由なんてねぇよ。単なる暇つぶしだ」
暇つぶし?
ぷっ、あたし暇つぶし!?
「好きになって、あたしのこと」
「それはお前次第。今んとこ1ミリぐらいは興味あるから」
ポンポンってあたしの頭を撫でるテツヤに、あたしからキスをした。
絶対好きになってもらうんだから。
*END*