▼ コーヒーバニラアイス2
逃げようとする私を捕まえてチュッと小さなキスをする。
顔に似合わずキスはまぁまぁうまい。
触れるだけのキスを何回でも繰り返してくるから、もっとちゃんとしたのして…って、気づくとそう思っちゃってる自分がいて。
そうやって毎回健二郎の誘惑に負ける私。
なんだかんだで私も健二郎のことが好きだって気持ちは消せないし変えられない。
「うまいで俺のアイス棒…ユヅキしか食えへんねんで?」
後ろから抱きしめて、首筋に舌を絡ませながらそう言われると可笑しくて。
確かに私以外は食べられない特注品なんだろうけど。
「今日は気分じゃなかったのに…」
「もっと健ちゃん健ちゃん言うてよ?そんなユヅキちゃんも見てみたいねん」
「……ん」
時々甘えん坊になると、私をユヅキちゃんって呼ぶ健二郎にめっぽう弱い。
ズルイんだから。
うなじを下からツーって舌で何度も舐められてぞくぞくする。
胸を服の上から緩く揉んでる健二郎は、ゆっくりと服の中に手を入れてきて。
ブラの上から乳首を指で摘んだ。
「んあっん…」
「直で触んで?」
「んう…」
もはや言葉にならない声をあげている私は90%の確率でこのまま抱かれたいと思っている。
パチンとブラのホックを外した健二郎は、そのまま直で胸に触れる。
突起を指で摘んで転がされて足がカクカクする。
倒れそうな私を片腕で軽く支えながらも後ろから耳に舌を入れられて、また身体を快感が突き上げた。
胸を揉まれながら舌で耳の枠を縁どってニュルリと穴を舐める一連の動きに身体の奥からジンジンと熱くなっていくのが分かった。
もっと色んなとこ触って…
もっといっぱい触って…
私の中のメーターがグインと急激に100%に向かったその時、ピンポーンってインターフォンが鳴ったんだ。
思わず止まって見つめ合う私と健二郎。
「……誰か来た?」
「出えへんよ」
そう言って行為を続けようとする健二郎のスマホが着信音を鳴らす。
「あ、隆二かも!さっき高速でアイス買ってきて!って送ったよ、私!」
「はあっ!?うそやん!ほんまに?」
「うん、ほら見て見て!」
インターフォンに映し出されている隆二の顔とアイスを掲げているその姿に、健二郎に抱かれるパーセンテージが一気に下がっていく。
「どないすんねん、こいつ…」
下半身を指さした健二郎は情けない顔でその場で軽くジャンプをしている。
「ふふふ。私が時間稼ぎしておくからそれ元通りにしといてね?限定アイスはまた夜に食べてあげるから!」
そう言って健二郎の首に腕を回すと、思いっきり舌を絡ませて濃厚なキスをあげる。
「いや、そんなんされたら戻れへんやんっ!」
後ろで叫んでいる健二郎を背に、私は元気よく玄関のドアを開けたんだ。
太陽みたいな隆二の笑顔と普通のアイスを笑顔で迎え入れた。
*END*