SHORT U | ナノ

 恋を、楽しもう4

ご飯を食べてお風呂に入ってドラマも見て、寝る前の読書も終わってアクビをして寝ようかなって。

時計の針は間もなく24時を回る。

直人は取引先の人と飲みに行ったみたいで、その連絡だけLINEに入っていた。

飲みすぎないようにね!って返したら、了解!ってスタンプが返ってきて。


まぁ現実なんてこんなもんよ。

キスの日だからって別にそれにこだわることもないよね。

まぁ、キスしたくなったのは事実だけど。

土日の泊まりの時にたっぷりして貰えばいいや。



「あーもう寝る」



歯磨きを終えてベッドに入った瞬間、ピンポーン……

は?誰?なに、こんな時間に…

え?

足音を立てず除き穴から外を見るとそこにいたのは直人で。



「え?どうして?」



ドアを開けるとちょっと酒臭い直人。

腕時計を見て私を壁に追い込む。



「直人、どうしたの?」

「さっき聞いた、今日がキスの日って……あ、時間ねぇっ」



チュッて直人のキスが落ちた。

壁に追い込まれてチュッて数回繰り返す直人の首に腕を回すと、甘いキスが激しくなった。

舌を絡めとって唇をハムって食べられて……

強烈に直人の香りを身体全部で感じる。

鼻からもれる吐息に、唇が触れ合う音が重なって……

歯列をなぞって直人の舌が私の口内を舐め回す。



「ンッ…」



チュッと唇を舌でなぞって離れていく。

そのままギュッと抱きしめられた。



「はぁー間に合ってよかった。つーか言ってよキスの日。今日1日チャンスあったじゃん、エレベーターとか!」

「知ってると思ってたから。哲也が言うってアサミちゃんが言ってたよぉ」

「忘れてたって、哲也。さっきLINEきて、慌てて帰ってきたよ。とりあえずあと何分?今日できなかった分、全部埋めてやる」



クスクスって笑う私に今日1日分のキスをくれる直人。

なんだ、ちゃんと知ってたらキスしてくれたのかって、それが分かって嬉しかった。

私一人だけ浮かれちゃったのかな?って、ちょっと寂しかったんだからね。



「舌出して、もっと…」



ここで抱かれそうなぐらい直人の情熱的なキスに、一晩中酔いしれていたんだ。

たまには、こんな日も悪くないよね。





*END*
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