▼ 恋を、楽しもう4
ご飯を食べてお風呂に入ってドラマも見て、寝る前の読書も終わってアクビをして寝ようかなって。
時計の針は間もなく24時を回る。
直人は取引先の人と飲みに行ったみたいで、その連絡だけLINEに入っていた。
飲みすぎないようにね!って返したら、了解!ってスタンプが返ってきて。
まぁ現実なんてこんなもんよ。
キスの日だからって別にそれにこだわることもないよね。
まぁ、キスしたくなったのは事実だけど。
土日の泊まりの時にたっぷりして貰えばいいや。
「あーもう寝る」
歯磨きを終えてベッドに入った瞬間、ピンポーン……
は?誰?なに、こんな時間に…
え?
足音を立てず除き穴から外を見るとそこにいたのは直人で。
「え?どうして?」
ドアを開けるとちょっと酒臭い直人。
腕時計を見て私を壁に追い込む。
「直人、どうしたの?」
「さっき聞いた、今日がキスの日って……あ、時間ねぇっ」
チュッて直人のキスが落ちた。
壁に追い込まれてチュッて数回繰り返す直人の首に腕を回すと、甘いキスが激しくなった。
舌を絡めとって唇をハムって食べられて……
強烈に直人の香りを身体全部で感じる。
鼻からもれる吐息に、唇が触れ合う音が重なって……
歯列をなぞって直人の舌が私の口内を舐め回す。
「ンッ…」
チュッと唇を舌でなぞって離れていく。
そのままギュッと抱きしめられた。
「はぁー間に合ってよかった。つーか言ってよキスの日。今日1日チャンスあったじゃん、エレベーターとか!」
「知ってると思ってたから。哲也が言うってアサミちゃんが言ってたよぉ」
「忘れてたって、哲也。さっきLINEきて、慌てて帰ってきたよ。とりあえずあと何分?今日できなかった分、全部埋めてやる」
クスクスって笑う私に今日1日分のキスをくれる直人。
なんだ、ちゃんと知ってたらキスしてくれたのかって、それが分かって嬉しかった。
私一人だけ浮かれちゃったのかな?って、ちょっと寂しかったんだからね。
「舌出して、もっと…」
ここで抱かれそうなぐらい直人の情熱的なキスに、一晩中酔いしれていたんだ。
たまには、こんな日も悪くないよね。
*END*