SHORT U | ナノ

 夢物語5

みんな始まりはほんの遊び程度なのかもしれない……

本気になんてならない!って。

一度だけって……

それが抜けられなくなるのは――――――






「相手次第か…」

「え?なに?」



広臣くんの部屋のベッドの上、私の肌をくまなく愛撫している彼は、哲也とのやり方とはとうてい違う。

きっと広臣くんもそれなりに自信はあるんだって思う。

思うけど…



「待って待って…」

「え?」



顔を上げて私を見下ろす広臣くんは年下なのにすごい色っぽい。

女の私より遙かに色気をまとっていて…



「何か色々壊れそう…」

「へ?壊れるの?え?痛い?気持ちよくねぇ?」



そうじゃなくって…

気持ちがよすぎてどうしようっ!!!



…哲也以上の人なんていないって思っていたのに、あり得ない!!

なにこの心地良さ…。

この子、ずるい。

私の身体もってっちゃう…



「広臣…」

「あ、呼び捨てヤバ。先輩の彼女抱いてる俺って…すげぇ最低じゃん。でも…―――ユヅキさんの身体ヤバイ」

「身体だけなの?」

「違うよ。最初に落ちたのはココ…」



チュって胸を舌で吸う。

それだけですごい快感。



「俺のこと分かってくれた人、初めて…」

「それはでも、そうなのかな?って思っただけで」

「それが今までいなかったんだもん」



嬉しそうにそう言うけど。

単に彼の性格をそれほど知っているわけではなかったものの、哲也の話によく出てきていたせいか、勝手なイメージを膨らませていただけなんだけど。

それでもそれを言葉にしただけで、見る目が180度変わるなんてこともあるんだって思った。


いつどこで恋に落ちる要素があるかなんて誰にも分らない。

同じように別の人を分析した結果を伝えたところで、恋に落ちる可能性は極めてゼロに近い。

きっと、広臣くんの中でのトラウマなのか、大事なとこをついたであろう私に、心惹かれてくれたんだって…

それにしても、先輩の彼女に手出す気になったことがすごいと思う。

普通なら、そう簡単に手は出せない。

あ、そっか…

簡単かどうかも、きっと本人のさじ加減なのかもしれない。



「だから俺、ユヅキさんのこともっと知りてぇ…」

「広臣くん…」

「今は俺だけを見てよ…」

「…ん。来て…」



手を伸ばすと、ギュっと私を抱きしめた。

そのまま激しく舌を絡め合う。

チュっとリップ音を出して鎖骨へ移動した後、胸の回りを舐めていって…



「ピンク色って奇麗だね…ココ黒いだけで男ってテンション落ちるんだよ、何気に…」



突起を口に含みながら喋るから舌と歯に当たって痛痒い。

噛まれるとかあり得ない!って思っていながら、いざそうされたらそれはそれでいい心地良さだった。



「ウエスト、細いね…。哲也さんずりぃ、毎晩この身体抱いてると思うと、すげぇ嫉妬…」



ハァ…ハァ…って吐息を零しながら私の身体を舌と指で快楽へと導いていく。

自分でも吃驚するくらいの積極性が出ているのか…

焦らされている彼の指を咥えて舌で転がす。

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