SHORT U | ナノ

 シュガーラブ3

「い、言ってねぇ!」

「本当に?」

「うんうん!本当!」

「仕方無い。許してやる!でも耳舐めはダメ。手繋いであげる」

「えっ?」

「それじゃ嫌?」

「全然!」

「んじゃ決まりね」

「うん。あでも…そのままずっと抱きついててよ?」

「おっぱい当たってる?」

「…うん。だからそのまま…」

「もー本当男子ってそんなんばっかだなぁ〜」



…ちょっと待って!!

俺以外にも言われてるわけ?

すげぇ聞き捨てならん!

誰だよ、俺のユヅキにそんな卑猥なこと言ってる奴!!



「それで?たかぼーどーなの?」

「え?」

「たかぼーだよ。えみのこと狙ってるんでしょ?」

「ああ、うん。そう狙ってる、えみちゃんのこと!この前自分で言ってた」



いとも簡単に敬浩くんの想いを口にしてしまった。

そんなことよりもユヅキを狙ってる奴が誰なのかのが俺には気になっているわけで。



「じゃあプリはたかぼーと二人っきりで撮らせてあげようよ?ね?」

「おうおう、勿論!え、てことは?俺とユヅキが二人っきりで撮るってことだよな?」

「え、そうなる?」

「なるっしょ!そこは、なるっしょ!え、ちげぇの?」



俺の言葉にユヅキは何故か大きく溜息をつく。

え、なんで?

なんで今このタイミングで溜息なの?



「ユヅキ?」

「なに?」



心なしか声色もムスっとして聞こえるのは気のせいだろうか?



「何か怒ってる?」

「べつにぃ〜」



そう言ったままユヅキはスッと俺から離れる。

背中が寂しくなって「ユヅキ、やだー。くっついてて」甘えてみるけど、隣に敬浩くんとえみちゃんのチャリが来て、若干苦笑い。

今の聞こえてねぇよな?



「直人くん、いやらしい顔してるけど、ユヅキ何かされた?」



敬浩くんの鋭い突っ込みにユヅキが「色々させられた!」本気か冗談かそう答えて。



「え、色々?直人くんユヅキに何させたのよ?」



ジロっとえみちゃんに睨まれて肩をすかせた。

何って言われると非常に答えずらいわけで。

でもユヅキが好きだから仕方ないっしょ…って自分の中で納得させる。



「問題ない!」



グっと親指を立ててそう言うと、全く信用してないって顔でえみちゃんにまた睨まれたんだ。


- 161 -
prev / next