▼ 優しい15分3
信じらんない!って気持ちと、嬉しい!って気持ちが半分半分。
でも私の答えを、私の言葉を待ってるナオトさんを見たら嬉しさのが断然勝ってくる。
まさかのナオトさんが私のことを……
なんで?どうして?
「本気ですか?」
「うん。いつも一生懸命仕事してるユヅキちゃん見てたらいつの間にか目が離せなくなってた。あ、仕事はちゃんとしてるよ?俺も…。そーいう意味じゃなくて…。いつも笑いの中心にいる明るくて頑張り屋なユヅキちゃんが好きだ…」
嬉しいっ!!!!
あーここで抱きつきたい!!!!
でもこんないつ誰がくるかなんて分からないロッカーの前でできるわけもなく。
「ナオトさん嬉しいです!私もずっと大好きでした!」
私の答えに安心したように微笑んだ。
ポンポンってナオトさんの手が優しく私の頭を撫でてくれて。
その手が私を抱きしめたがってるのが分かった。
「じゃあ待ってます!」
「うんとりあえず区切りのいい所で終わらせてくるから。寝てていいからね」
「はい」
「あ!その、しないからなんにも!一応病人だし…」
そーいう真面目な所も大好きだけど。
「いいよ、ナオトさんなら!」
思わず出た本音に困った顔で優しく微笑んだ。
顎を触って目を逸らしたナオトさんは、数秒後に私を壁に追い込んで触れるだけのキスをした。
「ほら、そーいうこと言うとね、僕の理性がね……」
「僕って…」
「真面目ぶってないと舌入れちゃうから!」
冗談なのか本気なのか、冗談にできないのか、ナオトさんが痛くないデコピンを私に食らわせた。
不意打ちキスで熱があがったかも?
なーんて。
「ほらもう帰りな。遅れなくてごめんね?大丈夫?」
「はい。ナオトさんも仕事頑張ってくださいね?」
「おう!」
「あ!気づいてくれてありがとうございます。もーナオトさん大好き!」
ギュッて背中に後ろから抱きついてすぐに離れた。
振り返ったナオトさんの頬に後ろからチュッて小さなキスをした。
「ホッペにチューとかやべぇ…」
照れて赤くなるナオトさんに見送られて少しだけ早めに帰宅した。
それから約2時間後にナオトさんが初めて私の家に来てくれて。
約束通り何もしなかったか?
そんなわけないじゃん!
薬飲んで少し休んでいた私は、お腹の痛みも身体のだるさも治ったから、ナオトさんを誘惑したら簡単にのってくれた。
明日みんなに自慢しよーっと!
*END*