SHORT U | ナノ

 優しい15分2

鞄を持ってロッカー前までナオトさんと一緒に歩く。

スーツ姿のナオトさんはいつ見てもかっこよくてスマートでみんなが憧れる気持ちが分かる。

そんなナオトさんガールの中の一人である私も、公にはしてないものの、ナオトさんを想う気持ちは人一倍持っている。

これって、抜けがけ?

いやいや違うよね。



「ユヅキちゃん、一人暮らしだよね?」

「はい」

「帰り寄ってもいい?」



不意に言われた言葉に目を大きく見開いた。

だけど私の反応に、言ったナオトさんが慌てて手を振る。



「あ、そーいう意味じゃなくて!…いやそーいう意味じゃないわけでもないんだけど、なんていうか心配だから…」



いつも冷静で大人ってイメージだけど、こうやって照れたりするんだ!

うわ、可愛い……

私の方が赤くなりそう。


心配してくれてるんだって、単純に嬉しかった。



「ありがとうございます。でもご迷惑かけたくないですし、緊張しちゃうので…」

「迷惑じゃないって!俺が、1人にしたくないんだ。ダメかな、傍にいちゃ?」



……誤解を招くようなナオトさんの言葉にまた苦笑い。

1人にしたくない、とか。

傍にいちゃだめ、とか……



「ナオトさん嬉しいけど、それ私勘違いしちゃうんで、大丈夫です!」

「ユヅキちゃん、彼氏いるの?」



えっ、話飛んだ!?

見つめるナオトさんは真剣そのもので。



「いません」

「好きな人は?」



はいっ!?

ナオトさん!?

なぜ!?



「あーごめん。分かりづらいよね。好きなんだユヅキちゃんが。だから心配してる。だから傍にいたい……伝わった?」



うん十分に…。


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