▼ 粘り勝ち6
背伸びをして哲也の首に痛いくらい巻きつきながらその薄い唇に自分のを押しつける。
生温かくて柔らかな感触にキュンっと胸が疼く。
すぐに離した唇に、また同じように口づける。
だけど足りない…―――大人のクリスマスにはもっと濃厚で妖艶なキスが必要で。
「哲也…」
「なぁに?」
「…―――好き」
「全くこの子はほんと…素直じゃないんだから!でもいいよ。どんなユヅキちゃんでも俺、愛しちゃってるから…―――ていうか、正直今俺余裕ないから。めちゃくちゃユヅキちゃんのこと抱きたい…」
――抱いて、哲也。
そう気持ちを込めて哲也に抱きつくと、そのままソファーになだれこむようにして押し倒された。
ダンって顔の横に手をついて体重を乗せる哲也からの大人キス。
舌をチュルっと絡ませて口内を舐めつくす哲也のそのキスに頭の中がすぐにポーっとしてくる。
めちゃくちゃ抱きたいって、余裕がないって言った哲也はその籠っている熱い想いを私にぶつけるようにちょっとだけ強引に探られながら抱いてくれた。
暖房のついた部屋で裸の私達は汗すらかいていて…
哲也のお洒落な服とか、私のメイクとか全部脱ぎ棄てて一つになった。
「…好きかも、ユヅキの身体…」
ボソっと哲也が呟く。
「え?」
「余裕もなかったけど、俺かなり気持ちよかった…」
「…うん」
「いい女だなぁ、ユヅキちゃん」
ふう〜って息を吐きながら哲也がシャツを着てシャワールームへと誘導する。
軽くシャワーを浴びた私達は、何故か置いてあったお揃いのルームウェアーを着て、クリスマスの夜を楽しんだ。
順番が逆だった分、哲也に遠慮することなく色んな話ができて。
それからまた愛を確かめ合うように、甘ったるい夜を過ごしたんだ。
いつも優しい哲也の口調が時々物凄く男らしく乱暴になる瞬間があって。
「愛してる?」
「え?」
「言えよ、愛してるって…」
「…うん、愛してる哲也」
この強引さに、私も素直に想いを口にすることができているんだって…―――
メリークリスマス哲也★
ずっとずっと愛してる―――
*END*