▼ オトナ女子にMerry Christmas2
「亜嵐、Xmasとか…」
向かい合ってパスタを食べながら気になっているそれを聞いてみた。
フォークに物凄い量のパスタを巻き付けて、それを大口開けて頬張る姿はかっこいいを通り越して可愛らしい。
ほっぺたについたトマトソースを紙ナプキンでスッと拭いてあげると微かに瞳を揺らす。
「すいません俺子供みたいですよね?」
ちょっとだけ煮えきらない感じのこもった声に私はクスっと微笑む。
「そんなことないよ、可愛いとは思ってるけど」
「…Xmas、ユヅキさんは?」
「亜嵐と過ごす予定!」
ニコッと笑うと、クシャって亜嵐も笑った。
「決定事項?」
「…よければ」
強引すぎる?
でも若さには勝てないからがむしゃらに頑張るしかない。
なりふり構ってられない!
私を見つめてちょっとだけ考える仕草をするとテーブルの上、私の手をキュッと握って「じゃあ約束!Xmas俺のために空けといてください!」亜嵐の声に胸が熱くなった。
今時の若者は、好きじゃない女の手も簡単に握るものなんだって私の脳内に植え付けた。
亜嵐が私のことを好きだなんて勘違いはしない。
さすがにそれは自分でも痛いと思う。
だけど、ちょっとぐらい夢見たっていいよね。
少なくとも私のこと、嫌いじゃないって…――思いたい。