笑顔を浮かべている國廣は、びしっと人差し指を立てた。

「そういえばお二人さん、知ってる? この学校、ホスト部あるんだって」
「へえ、珍しいね」
「え!?」
「うわっ、アキラちゃん食いつきいいね。興味ある感じ〜?」

 ホホホホスト部だと……!? ここ普通の学校だよな!? ホスト部!? なにそれ初耳! ……おっと、優等生優等生…。

「…興味ない。俺はそんなチャラチャラしたの好きじゃないから」

 超興味あります。それちょっと詳しく聞かせてくださいお願いします…! ああ、言えない俺を殴り倒したい。くっ、動け、俺の右腕…!
 あ、でも今の優等生っぽい! なんだよ俺、意外にやれんじゃん。見てた!? 中井さん……って、あれ!? 違う人と喋ってる!

「……アキラちゃんキャラ変わってない? まあ興味ないならいいや。この話はおしまーい」
「え!?」
「え?」
「……えっと」
「うん?」
「興味ないことも…ない」

 恥ずかしい。なんだこれ恥ずかしい。俺は耐えきれず俯く。くっそ、優等生ダメじゃねえか…!
 チラリと上目に國廣を窺うと、ちょっと意外そうに目を開いて、次いでニヤリと笑った。

「興味あるなら最初から言えばいいのにー。アキラちゃんてばツンデレだなぁ」
「……興味なんてない。馬鹿じゃね」
「アキラちゃん最初のあの元気の良さはどこいったの?」
「早く話してくれ」
「シカトいただきましたー、わーい…。……じゃあ話すね」

 俺は國廣が話すのをじっと待った。