でも少しすっきりした。ざまあ、副会長。…つーか、会長って副会長のこと嫌いなのか? 良く分かんねえな、この人たち。副会長は何となく会長に劣等感を抱いているような気がするけど。一応生徒会のメンバーだし関係はいい方がいいけど、取り敢えず副会長殴りたい。
 俺は書類を見て判子を押している会長をチラ見して、自分の仕事に戻る。といっても、この仕事は副会長のだけどな! 俺役職違うのに副会長の仕事どんな風に処理するか覚えちゃったよ…はは…。それにしても、会長いなかったら俺かなりヤバイよな…。因みに何で会計がいないかというと、短期留学しているからだ。確か…行ったのが転入生とすれ違いだったから…げ、帰ってくるまであと約二週間あるわ。俺はこれからのことでずしりと重くなった背中を感じながら、そっと溜息を吐いた。



 翌日の朝、食堂に行くと見慣れた背中を発見。俺は人も少ないしいいかなと思い、近づく。

「おはよ、淳也」
「ん? おー、空音」
「あ、どうも。書記さん」
「えーと…、ああ、転入生の」

 楽しそうに喋っていた顔を少し強ばらせて俺を見る転入生。
 そうか、転入生も一緒だった…。あーしくったか? 淳也は親衛隊出来るくらい人気あるけど、この転入生は淳也と一緒にいるだけじゃなくて、会長と副会長、更に他の人気者たちのお気に入りだからな…。俺の所為で余計に風当たり強くなるかも。

「どうした?」
「あー、えーと…」
「んだよ、変な顔して」

 変な顔って…失礼な。

「お前も飯食うんだろ?」
「まあ、そうだけど」

 チラリと転入生を見ると、転入生は不思議そうな顔をしている。あんまり理解していないのかな。…いや、一週間ちょっとでここの風習受け入れろってのは確かに辛いかもしれないけど。
 キョロキョロと辺りを見回してた淳也は、少し悩んで、苦笑した。

「ま、ちょっとの間なら大丈夫か。それにお前の親衛隊はいい奴ばかりだしな」

 それに便乗する過激派の奴らは気をつけた方がいいけど、と付け加える。俺はホッと息を吐いて有り難く淳也の席を座らせてもらうことにした。