今日は活動日である。

「おう、お前ら皆揃ってんなー?」

 そう言って扉を開くと、一斉に向く面装備の男たち。うん、皆揃っている。サボる奴一人はいるかと思ったが、ちゃんと来てくれて俺は嬉しいぞ。
 各々の前にはクッキーやら色々な焼き菓子が置いてある。早速菓子を持ってきてくれたみたいだ。置いてない奴は…ニャッキとガルか。もしかすると冷蔵庫に入れているのかもしれないな。ニャッキは特にその可能性が高い。ガルは……持ってきてない可能性の方が高いな。
 俺は持ってきた色取り取りのマカロンの入った袋を置きながら指定の席に座る。すかざずニャッキが手を上げてぶんぶんと振る。

「ケェさんちわーっす!」
「おー。…やっぱテンション高いなお前」
「テンション高いのは俺の長所や!」

 まあ低いよりかは高い方がいいけどな。きっと面の下ではドヤ顔なんだろう。つーか、おい俺の横を見てみろ。こんなに黒いオーラ出してるじゃねえか。気づけ。居心地が悪いんだけど!

「あの、こんにちは、Kさん」
「こんちは。アキ、お前のそれは紅茶クッキーか?」
「あ、はい」

 目に付いたのは、いい匂いを放っている少し斑点の見えるクッキーの入ったバスケット。身を乗り出して嗅いでみた。この匂いは紅茶っぽい。数多くの菓子を食ってきた俺にはすぐ分かるぜ! と内心ドヤる俺。

「ふーん、旨そう」

 口角を上げて身を引くと、少し上擦った声でバスケットを手に取るアキ。

「あ、の、一つ…どうぞ」
「お、マジ? サンキュ、貰うわ」

 食べてみると、仄かな甘さと紅茶の風味がマッチしていて、凄く旨かった。俺はもう一度礼を言って、感想を告げる。すると嬉しそうな声音が返ってきた。

「えー、ケェさんだけずるいわぁ! 俺にも俺にも!」
「あ、はい。どうぞ」
「いえーい!」

 落ち着けよ。

「お前らも好きなようにしていいぜ。あ、ニャッキとガル、菓子は持ってきたか?」
「持ってきたで! 俺のオススメのチョコチップクッキーとか持ってきてんのやけど」
「チョコチップクッキーだと?」
「そうや、ケェさん好きって言ってたやんか、だからクレハ堂のチョコチップクッキー持って来てん」
「クレハ堂? あそこスッゲェ人気の奴じゃねえか」

 お、俺だってそんなに食べれないのに! 何でこいつ普通に持ってきてんだ!? うわあああスッゲェ食べてぇ!

「冷やした方が旨いらしいから冷蔵庫に入れててん。持ってくるわ」

 そう言って立ち上がり、隣の給湯室に入っていくニャッキ。