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予定よりも早くプレゼントが決まり、俺も月島もプレゼントを購入した。黛のことが気がかりだったので、俺は月島と別れ、急いで家へと帰った。
「ただいま!」
ドアを開け漸く慣れてきた帰宅時の挨拶を口にし、早足で奥へ向かう。小走りだったのもあるが、緊張でドキドキと心臓が煩く鳴っている。
黛はデーブルに頬杖をついてテレビを観ていたようだ。俺が帰ってきたのを知ると、こっちに目が向く。飯を食った様子はない。俺を待ってくれていたんだとほっこりする。
「思ったより早かったな」
黛は意外そうに呟く。俺は笑みを浮かべた。「用事が早く済んだんだ」そして俺は黛に後ろに隠していたものをずいっと両手で差し出す。小さな袋をじっと黛が見つめた。
「何これ」
「黛に…ぷ、プレゼントと言いますか…」
「誕生日じゃねえけど」
黛は自分がプレゼントを貰った意味が分からないようで、訝しげに眉を顰めた。
「今までプレゼントしたかったけどできなくて。今なら貰ってくれるかなって、買ったんだ」
本音をそのまま打ち明ける。黛は無言で袋を受け取る。そして袋を開け――にやりと笑った。
「へえ、いいじゃん」
プレゼント――スカルリングを気に入ってくれたようで、早速指につけている。サイズも大丈夫のようだ。俺はほっとして笑みを浮かべる。黛はジャラジャラとアクセサリーをつけるタイプではないが、リングをつけることは度々ある。ということで、スカルリングを購入した。
「俺、なんもやれねーけど」
黛はふと真剣な表情で俺を見つめる。俺はドキドキしながら言葉を待った。
「もうお前を心配にさせるようなことはしねえ」
黛の指が俺の顎にかかる。リングがきらりと光った。
「だからお前も、俺以外見るなよ」
俺は返事の代わりに、目を閉じると、ふ、と笑う音が聞こえて――唇が重ねられた。
fin.
長らくお付き合いくださりありがとうございました!
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