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「いつ行くんだ?」
月島は売店で買ったジュースを飲んで訊ねてくる。俺は苦笑を浮かべた。
「…実はこれから」
「え、これから?」
目を丸くした後、俺の頭の上の辺りに視線が移った。俺は背後に人の気配を感じ、振り返る。
「光」
「黛…あれ? 意外に早かったな」
俺はスマホで時間を確認する。まだ講義が終わる三十分前だ。もしかしたら早く終わったのかもしれない。
「途中で講義抜けてきた」
「…え、何で?」
「クソつまんねー話だったから」
黛はじろりと月島を睨むように見る。
「お前、さっさと帰れば?」
月島の眉がぴくりと動く。俺は顔を引き攣らせて二人を交互に見遣った。
「ご、ごめん月島…」
「いや、いい。俺帰るし」
月島は立ち上がる。時間つぶしに付き合ってもらったのはこっちなのに、申し訳ない。
「おい黛」
「あ?」
「もう宇津木のこと傷つけんなよ。次はねーからな」
「あと宇津木は荷物取りに来いよ」月島は付け加えると、じゃーなと言って去って行く。俺は手を振り、黛はずっと黙っていた。
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