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黛は舌打ちをして俺から視線を外す。
「別にいいだろ、なんだって」
今までの俺だったら、ここで諦めてこれ以上は追求しなかっただろう。でもこのままではダメだと感じ、俺は無理矢理黛と目を合わせた。
「――黛、教えてほしい」
俺も黛も黙ったまま見つめあっているので、室内は無音になった。黛は固く口を閉ざしているが、俺も譲らない。
暫くして、黛が深い溜息を吐いた。
「……最初は、お前が何か言ってくると思ってたんだよ」
「でも何も言ってこねえし」黛は苛立ちを含んだ声で続ける。勿論やめてほしいと思ってたし言いたかった。けど……。
「だって、ウザがられたら…すぐに別れるって言われそうだったし」
俺の言葉を聞いて、黛は眉を顰めた。「流石に一回言われただけで別れねーよ」
「ほ、本当に?」
「くどい」
「お、俺……本当はずっと、ずっとやめてほしかった」
視界が歪む。熱を持った涙が頬を流れた。
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