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「僕何かしたかな…あ、しつこかった?」
「いや、じゃなくて断ってばっかで…なんというか、その」
「ああ、そのことなら僕は全然気にしてないよ」
白川は安心したように笑う。そして、俺から視線が少しずれた。――俺の後ろを見ているようだ。嫌な予感がする。とてつもなく嫌な予感が。
「おい」
低音がすっと耳に届く。聞き慣れたそれより低くなったそれは、とても良い声だったが、今の俺に悪魔の声だった。
がし、と肩を強く掴まれた。俺は大袈裟なほどにびくりと震える。
「黛…」
月島と白川が目を丸くする。どうしてそんな顔をするのか、まだ顔を合わせていない俺には分からなかった。
「光、来い」
どきっとする。久しぶりに呼ばれた名前。俺は恐る恐る振り返り黛を見上げた。
黛は何を考えているのか、眉を顰め俺を見つめた。怒っているとは違うような表情に俺は動揺を隠せない。
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